だらしない妻と神経質な夫 6

愛してる ページ25

『とーみながさああああん！』

ト｢お前はうるせぇロケットみたいな登場すんなや。｣


俺の後輩はやかましい。基本的にいつも華やかな笑みを浮かべて黙っていれば鈴蘭のように白くて小さい可愛らしい″女の子″である。が、しかし幸か不幸か、はたまた神が機嫌悪い時に生み出した生物なのか、口を開けばとんでもない事を口走ったり、とにかく顔と行動が反比例しまくってるやつな訳で...

そんな顔を裏切る性格してる人ランキング1位の後輩Aが楽しそうに大声を出してリビングに特攻してきたということは嫌な予感しかしない。


『可愛いAちゃんの目を見て下さい！』

ト｢...ごめん、その方とは出会ったことないからわかんねぇ｣

『私です！！！美女！目の前の美女を見て！！』

ト｢美女...？｣

『あーもぉ！分かりました！後輩チーを見て下さい！』

ト｢お前だな？｣

『...先輩、愛してます』

ト｢...やってんなぁ？カンター！！これなんのドッキリ？｣

『わっ！馬鹿馬鹿！カンタくんに内緒なんすから！！』

カ｢呼んだ？｣


呼んでから数十秒も立たない内に階段を駆け下りてくるこいつは俺の相方カンタ。こいつはこいつで清楚そうな純粋そうな顔をして少しメンヘラでサイコチックな気質を持つ、これまた顔を裏切る性格してる人ランキング2位の人。


ト｢お前チーになんのドッキリさせてんの？笑｣

カ｢...ん？なんもドッキリとかしてないんだけど？｣

ト｢じゃあなんで俺は熱い愛の告白された？笑｣

『あっ...富永さぁん...』

カ｢は？愛の告白？説明して？｣

『あ、いや...ほんの遊び心でして...』

カ｢正座｣


カンタの声を聞き終わる前にピシッと正座するあたり流石嫁。この正座が遅くなるだけでカンタの機嫌がもっと悪くなることを心得ている。こんな面白い瞬間逃すわけない。さっさとカメラを構えて腕を組んでるカンタと正座チーを映し始めた。


『あーのですねぇ...スカピのね、動画を見てたんですよね？ほら、私好きだよね？うん...』

カ｢それで？｣

『あー、えー、絶対に笑ってはいけない愛してるよゲーム見ました。』

カ｢で？｣

『やってみよって...思った...所存でございます...』

カ｢だから？｣

『怒んないで貰うこととかって...？』

カ｢は？｣

『あっ...すみません...』

ト｢いひひひっ、さっき俺チーに愛してるって言われました〜｣

『富永さんは私に恨みでもあるんすか！！嫌いなんでしょ！！殺しにかかってる！！』

ト｢うるせ笑｣

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