* ページ6
私の為だけに時間を割いたと言えば申し訳なく思う心理を理解して動画のネタにしたから平気〜と言ってくれる彼の優しさに甘えて、今日はとことん病人をする事にした。
しばらく胃が落ち着くのを待ってから彼は丁寧にひと口ひと口フーフーと冷ましながら口元まで運んでくれた。いつもの癖なのか子供達にあげるように自らも口を開けて食べさせてくれる。
『ふふ、口空いてるよ?笑』
カ「やば、いつもの癖だ笑」
『いいなぁ...3人はいつも寛太にあーんしてもらえて...』
カ「なに、可愛い、キスしたくなるから辞めて」
『だめだめ、危ない。気を付けよ。』
きっとまだやる事あるだろうに私の世話をしてくれるなんて彼は仏の心を持ってると思われる。
カ「無理して食べなくていいからね?お腹いっぱいじゃない?」
『ん、もうキツいかも...』
カ「シュークリームはどう?プリンにする?」
『プリンにする』
カ「おけーい!」
カンタくんは何故か楽しそうに蓋を開けて私に食べさせる。なんでこんなに楽しそうなのか意味が分からない。
『なんで楽しそうなの』
カ「毎日俺この仕事したい。これからも俺が居ないとご飯食べれないままでいいよ。」
『怖い。聞かなきゃ良かった。』
カ「俺が全部お世話したい」
『いっつもお世話されてるよ』
カ「違う、全部。ご飯も着替えもお風呂も全部俺がしてあげんの。」
『そんなの手間かかるでかい娘じゃん笑』
気を使って言ってくれたのか、それとも本心なのか絶妙に分からないけどちょっとだけ嬉しい。プリンを食べ終わったあとは着替える為に身体を拭いてくれる。服が脱がされて濡れタオルが肌の上を滑った。
カ「冷たくない?」
『ん、気持ちいくらいだから平気』
カ「水分ちゃんと取っといてね」
『はぁい』
買ってきてくれた経口補水液を飲み、ほんの一瞬目を閉じただけなのに身体が大きく揺れる。ぐらりと傾いた身体を何も言わずに抱き止めて服を着せてくれた。
『んん...ごめんね...』
カ「大丈夫、Aは何も考えずに体調不良だけを治せばいいの」
だんだん襲いかかる眠気とそれに気付いた優しい声に身を任せて目を閉じる。時折寝苦しくて目を覚ますと、隣にカンタくんの気配を感じた。
翌朝目覚めさせたのは頬を撫でる大きな手だった。ゆっくり目を開けるとカンタくんが隣に寝転び微笑んでいる。
カ「風邪治るまでもうちょっとお世話してあげるからね」
こんなに甘やかされるなら風邪も悪くないな
739人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴあ(プロフ) - 杏果さん» 検索ボックスの下に(R 18のみ)というフィルターがありますのでそちらを押してもらえると見つかりやすいです。勿論ですが18歳以下の方は見れませんのでご了承ください。 (2021年3月9日 8時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
杏果(プロフ) - 読みましたっ!面白かったです! 番外編(裏)も読みたいのですが、どうやったら見つけられますか?(頑張って探しても見つからない…) (2021年3月6日 20時) (レス) id: eddee466ca (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - るちさん» コメントありがとうございます。私が今長編として書かせていただいている 3000/時 という作品には東海オンエアさんを沢山登場させていますので良ければご覧下さい。短編集まで閲覧ありがとうございます! (2020年12月2日 8時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 長期更新お疲れ様でした!番外編を含む全てのお話とても楽しませて頂きました!短篇集も拝見しているのですがぴあ様が書かれる東海オンエアのお話がもっと読んでみたいです…! (2020年11月30日 23時) (レス) id: 4031c8ca36 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 久しぶりにこの2人?の新しいお話読めて嬉しいです! (2020年11月17日 3時) (レス) id: 252584ae2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴあ | 作成日時:2020年7月12日 8時