モブ男 34 ページ36
放課後、千秋と撮影現場に向かいスタッフさんや監督さんに挨拶をする。
1人用の撮影を先にし、次に2人用の撮影をする。メイキング動画もアップロードされるためインタビューも受けるし千秋とのじゃれ合いも撮られる。忙しいなぁ。
先に別行動で1人の撮影。男性にも使って欲しいという意味をこめて男性アイドルに依頼したんだとか。かと言ってターゲットはやはり女性なので甘い台詞も言わなければならない。
それぞれの撮影が終わってチェックと簡易休憩を挟む。千秋はどうやら動きがうるさいと言われてしまったらしい。彼らしいが、視聴者的には普段とのギャップを見ることでファンが増え商品を買いたくなるというシステムを監督は知っている。
こんな談笑も常に撮られているとなると下手なことも言えない。それを踏まえて彼は小声で俺に話しかけてきた。
｢耳に何かあったのか？｣
『へ！？え、なんで！？』
｢ずっと耳を気にしているようだったからな｣
気づいたら無意識に触ってしまっていたみたいだ。レオのことがあったから…。
すると彼はいきなり俺の両耳を優しく掴んだ。びっくりしたぁ。
｢無理に話さなくてもいいぞ！Aのことだから誰かにいじられたんだろう｣
｢次は俺と2人の撮影だ、他のやつのことは考えなくていい！助けてほしかったらすぐに言ってくれ！｣
『千秋…じゃあ、助けてもらおうかな』
----
CMが放送された次の日から、朝から行き交う人々の会話がその話で持ち切りのようだった。
｢ねぇ見た！CherryのAくんと流星隊の千秋くんのCM！｣
｢見た！距離近くない！？Aくんの色気もやばかったけど、千秋くんも負けてなかったよね！｣
｢うわぁぁ〜2人のファンになっちゃうよ｣
｢俺、あの化粧水買おうかな…｣
ふふふ、こう言われて嫌な気持ちになるはずがない。登校中にマスクの下でニシシと笑ってしまった。
あの時、千秋と無駄に距離を近くしてもらった。エゴサしてみたら《春野A 守沢千秋 付き合ってる》っていう検索が1番上に出てきたくらいだ。
千秋の肩に頭を乗せたり千秋の上に座ったり無駄に顔近かったり…移動する時も手を繋いだ。メイキング動画にバッチリ映ってたけど気にしません。
これで俺のこと好きなやつも諦めてくれるだろう。そう思いながら教室のドアを開けた。
俺ってほんとバカ。そう思う2秒前。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 635人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モコ - 続きが気になります！！！！！！！ (2022年9月23日 2時) (
レス) id: 5f0d0fbbc6 (このIDを非表示/違反報告)
ドラゴン(プロフ) - 続きはどこですかあああああああああああああああああああああああ (2022年6月7日 17時) (レス) id: 526f681ea8 (このIDを非表示/違反報告)
KOT(プロフ) - この小説を読んでいただき誠にありがとうございます！朝起きることができているようで何よりです！(*^^*)夢主くんの過去も詳しく綴っていくのでお楽しみに！(*´`) (2020年4月16日 14時) (レス) id: b280d5f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
優蘭(ウルフ・ローガ) - 夢主君の過去がこうなると気になって朝も寝れません…それからこの小説とても面白いくて大好きです(^^)更新は自分のペースで頑張ってください！それから体調管理もしてくださいね^ ^他にも色々ありますがまずは自分の体調を崩さないようにして下さいね（＾_＾） (2020年4月15日 0時) (レス) id: 0f23ffd4a7 (このIDを非表示/違反報告)
KOT(プロフ) - 理寧さん» 読んでいただきありがとうございます(*´`)最高ですか！嬉しいです！(=^^=)応援ありがとうございます！頑張ります！ (2020年3月25日 17時) (レス) id: b280d5f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：DD | 作成日時：2020年3月21日 17時
