【ダンキラ!!!】コーチ科のお人形さん【TOXIC】2nd (ページ29)

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78話ページ29

sideA

また、1人で紅鶴を歩いています。

A『…あ…可愛い…』

｢どれがです？｣

後ろから声が！？

A『うわあ!!…し、シキさん…』

シキ｢そんなに驚くことですか？心外です。｣

誰だって後ろから声がしたら驚きます！

A『シキさん…』

シキ｢何でしょう？｣

A『パリコレのデザインで行き詰まったのですか…？』

まだ心臓が…

シキ｢ンフフ。｣

笑って流されました。

シキ｢プリンセス、どれを見て可愛いと仰ったのですか？教えてください。｣

あ…

シキさんが居るなら言わなかったのに…！

周りをよく見ろということですか？

A『…な、何も言ってないですっ！シキさんの空耳です！』

シキ｢……｣

A『シキさん…？』

シキ｢そうですか。｣

怒らせてしまったようです……

―別日―

海での撮影は緊張します…

シキさんは来てないです。

専属のマネージャーさんとか顔見知りは多いです。

パリコレ間に合わせる為には欠席でも…

アゲハ｢Aさーん。｣

わを。

A『アゲハさんも撮影を？』

アゲハ｢この後にスタジオ撮影なんやろ？｣

そうですけど…

A『シキさんは？』

アゲハさんもいらっしゃるなら居ても可笑しくないですが…

アゲハ｢居なくて寂しい？｣

A『そ、そんな事は…』

なくはないですけど…

アゲハ(あらぁ…真っ赤やねぇ…きっとシキさんも悶えているんやろなぁ)

【一方その頃のゴールドハイム206号室】

Noside

シキ｢プリンセスに無礼を…あぁ…プリンセス…パリコレが落ち着くまであと少し待っていてくださいぃ…｣

ブツブツ呟きながらデッサンを進める。

蛍｢蛇ノ目くん、五月蝿いよ。｣

同部屋の蛍は嫌そうに言った。

シキ｢…おや…なんとお美しい!!｣

その時、アゲハから真っ赤な顔をした真っ白な彼女の写真が送られた。

そして、もっと興奮した。

シキ｢白い肌に赤い頬で…プリンセス！ボクは!!ボクはぁぁぁぁぁぁ！｣

蛍｢蛇ノ目くん、本当に五月蝿い!!!!｣

荒々しく声を荒らげたらドアが開いた。

聖人｢これこれ、君たち。大きな声でのお喋りはラウンジでやりたまえ。｣

寮長の説教が耳に入らないシキと

蛍｢なんで僕まで…｣

とばっちりの蛍であった。

A『…』

スタジオ撮影が始まりました。

手首に大きな真っ黒のリボンで縛られ、

真っ黒のドレスを身にまとって撮影です。

これは誰の趣味なんですか？