【ダンキラ!!!】コーチ科のお人形さん【TOXIC】2nd (ページ28)

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77話ページ28

sideシキ

ずっと昔にプレゼントに既製された生地が贈られた。

差出人は匿名だった。

創作意欲が沸き立った。

それを何気なく隣に居る真白な純白のお姫様に言ったら嬉しそうに笑った。

それが何度か続いたある日、

またプレゼントを貰った3ロールはボクが好きそうなデザイン生地だった。

1つ全く系統の違う煌びやかな空色の生地だった。

それをワンピースに仕立てあげて、

いつもそばに置いている無垢な彼女に着させた。

その笑顔は無邪気でボクは恍惚してしまった。

また、生地が贈られた。

匿名だった。

シキ｢プリンセス、新しい衣装が出来ましたよ。｣

A『珍しいですね。変わった時期ですね。』

贈った本人は芝居をする。

シキ｢さ、参りましょう。｣

手を取り、ショールームに移動する。

ご覧になられたその目は輝いてました。

あぁ…何故貴女のその顔は人々を魅了する事に貴女自身は気がつかないんでしょう…

ボクは数年前に貴女のその表情で心を奪わたというのに。

小さな声で『わあぁ…』と言いました。

シキ｢お気に召しましたか？｣

A『はい。かわ……良い物だと思います。』

プリンセスは決して｢可愛い｣と言いません。

前までは言ってましたが。

A『良い物です。』

噛み締めるように言って、ボクの最新作に釘付けですね。

A『とても可愛いでしょう！』

アゲハ｢せやな。プリンセスにこんなに喜んでもらえてシキさんも嬉しいと思うわぁ。｣

あぁ！プリンセス！そのお顔を是非ボクに…！

撮影は終始微笑んでいてカメラマンが珍しがっていました。

｢良いことあったの？｣

A『はい、とても。』

もっとその笑顔を多く見る為に

ボクは今日も影宮くんの小言をBGMに夜なべをします。

蛍｢プリンセス!!どうにかして！｣

A『難しいです……昨日から何故かやる気に満ち足りていまして……』

もっとボクを興奮かつ恍惚の波に溺れさせてください。

シキ｢プリンセス、貴女のお眼鏡にかなう最高傑作を今に!!｣

蛍｢お願いだから蛇ノ目くん、寝て!!!!｣

そうこうしてるうちに夜は明けて

A『私は枕に生まれ変わったつもりはないんですが……』

小さな彼女の小さくも柔らかく優しい身体を抱きしめて眠ります。

A『昼夜逆転はどうしたら治るんでしょう…』

優しくボクを撫でて、

A『…何だか私も眠くなりました…』

2人で仲良く二度寝をして夜野くんに怒られました。