【ダンキラ!!!】コーチ科のお人形さん【TOXIC】2nd (ページ26)

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75話ページ26

sideA

ラウンジで本を読んでいました。

創真「ねぇ、プリンセス。」

読書中なのですが…

A『なんでしょう？』

創真｢この前、撮影のバイトをしたんだ。｣

わお。バイトを雇っていた事に驚きです。

創真｢そこで、シキとちょっと口論になってね。｣

珍しい…

創真｢シキが愛は消費的でうたかたに過ぎないって言ってて…｣

わを。

A『まあ、愛とは抽象的ですから…』

創真｢プリンセスまで…｣

A『では、仮に私が創真さんを愛していたとしましょう。』

シキ｢……プリンセス？またイタズラですか？ボク以外の男性に振り向くとは何事です。｣

地獄耳ですね。

A『仮定の話をしてます。』

シキ｢…かてい…？｣

混乱してる…

A『じゃあ、シキさんを愛していたとします。』

シキ｢何故過去形なのですか！熱い夜を過ごしたのに！｣

興奮されても…

A『落ち着いてください。』

本をテーブルに置いて、シキさんが私のモモを枕にしました。

創真｢プリンセスの発言に反応するのも愛だよね。｣

わを。

シキ｢随分と安っぽい愛ですね。｣

ゴロンと仰向けになって創真さんを見つめてます。

A『そういえば、お仕事は？そろそろ納品してくださいと言われてましたでしょ？』

シキ｢先程終わりましたので新しいデザイン画を作成中です。｣

そのタブレットで？

A『随分とデジタル化しましたね。』

シキ｢影宮くんに殺菌スプレーをかけられましたので。｣

わを、攻撃的な蛍さん…

話がズレました。

A『お話を戻すと、仮に私が創真さんを心の底から愛していたとして、』

シキ｢……｣

わーを、凄く不機嫌。

A『誰かを刺したことも一種の愛だと？』

創真｢愛だけど、間違った愛だね。｣

正しい愛とは？

A『それに、人はいつか死ぬんです。死別をしても片方が思い続けたら愛ですか？』

創真｢愛だよ。｣

A『答えられないのに？』

頭を撫でられました…

A『世の中は浮気とか不倫とかのこのご時世ですよ。愛とは何なんでしょうね。』

創真｢誰かを思いやれれば愛だよ。｣

A『人を慈しみ、深い愛情を注げば愛なのでしょうか。』

創真｢プリンセスは違うの？｣

A『私は愛されていると思います。』

自惚れじゃなくて。

A『答えられる数ではないんです。返せたとしても雀の涙ほどしか返せません。』

創真｢プリンセスは博愛主義だね。｣

笑って私をまた優しく撫でられました…