バキッ ページ9
「今まで天女が何をしたのかを教えてほしい？」
「………」ｺｸﾝ
Aさんがもぐもぐとご飯を食べている時、私と兵助にはひたすら見つめられるのでなかなかに食べづらそうにしていた。
作法委員会並に綺麗に食べていたので見つめていたのは申し訳ないと思って……いると言えばいる。
Aさんは気になっていたことがあったと言って、私達に天女の話を聞いてきた。
個人としては彼女の頼みを簡単に無下には出来ない。
かといって話してもいいのか。
「…聞いていて気分の良い話ではありませんよ」
「……良い話だったら私は今ここにいない」
「確かにそうですが…」
この人はきっと口喧嘩が強そうだが、そもそも口喧嘩する相手はいるのかとも思ったので考えないことにした。
本音を言えばAさんには知ってほしい。
だが、知らないことである程度の危険は抑えられるのではないかとも思ってしまう。
兵助も迷っているようで難しい顔をしている。
「うーん…理由を伺っても？」
兵助の質問に、彼女は口の中に入っていたものを飲み込んで口を開いた。
「知るべきだと思った」
今までで一番、凛とした声だった。
威圧でもなければ強要でもない。
かといって淡々としたものでもない。
食事をしている時でも警戒しているのか仮面を外さないので、本当はどんな表情をしているのかはわからない。
ただ、この人は声で心情を悟られないように出来るほど器用ではないことは知っている。
「……わかりました。話しましょう」
一度兵助と目を合わせて、同時に頷いて彼女に応えた。
「…まず1人目の天女ですが、仕事もろくにせずに自分のタイプの人達とばかり戯れていました。ちなみに兵助もそのタイプに入ってました」
「それはもういいのですが……気に入らないことがあったら下級生に、特に1年生を中心に暴力を振るっていましたね」
バキッ
「「……ん？」」
「………続けて」
「え、あ、はい」
確実に何かが折れたような音が目の前の人の方から聞こえた。
そして心なしか声が先程とは打って変わって威圧のあるものへと変わった。
このまま続きを話すとまた何かが折れる音がする気がする。
が、一度話すと言った以上最後まで成し遂げなければならない。
「2人目の天女もほとんど同じですね」
「…あ、でもきり丸が好きだとか初恋がどうだとか言って、きり丸には贔屓してました」
バキッ
「「貴女絶対箸折っただろ」」
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HANON(プロフ) - 不透明どろっぷ。さん» ありがとうございます。更新はめちゃくちゃ不定期なので、ふと思い出した時に見ていただけたら嬉しいです。 (2月8日 23時) (
レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
不透明どろっぷ。(プロフ) - 3年ぶりくらいに見てみたら結構進んでた…！今見返してみたからこそわかるネタとかも結構あって面白かったです。続き楽しみにしてます。 (12月22日 23時) (レス) @page25 id: f6e73ed9d2 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - あまねさん» 見つけてくれてありがとうございます (11月5日 12時) (レス) @page24 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すきやっと見つけた (10月25日 20時) (レス) @page24 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 凪疾さん» 頑張ります！コメントありがとうございました。 (10月22日 23時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2019年9月26日 23時
