あ人 ページ22
あ-【亜】次の位にある、にている意味。
――
尋常との乖離。けれど異能に非ず。
敦は�爐修讚瓩鯀阿法�普段通りに振る舞えるのか、ずっと不安に思っていた。
「久作は、あまり良い奴ではなかったみたいだ」
曇った顔の子供に、敦は曖昧に苦く笑った。
今は太宰が、ポートマフィアの長である鴎外に取引を持ちかけている頃だろう。
子供の身柄を取り戻す為の交渉である。
そう簡単に事が運ぶのか、という敦の疑問には、朗らかな、しかし裏のある笑みが返ってくるのみだった。
敦と芥川は建物内の隠し経路を使い、子供が居る部屋へと向かったのだ。太宰と合流するまで二人は突入を禁じられていた。のだが、
「はあ……」
敦は気を失った男を見て、呆れたように言った。
「殺さなかっただけ良いけど。太宰さんの指示を忘れるの早過ぎないか？」
「指示ゝと五月蝿い。臨機応変という言葉を知らぬのか」
「知ってるけど、お前のは何か違う！」
子供は構成員の男に銃口を向けられていた。
芥川はその瞬間、迷わず男に攻撃をした。通信機越しに異常に気づいた他の構成員がいつ駆け付けてきても可笑しくない状況で。
「彼処で出て行かなくてもAちゃんは、」
敦は不自然に口を噤んだ。その顔が徐々に強ばってゆくのを見ずとも、芥川はその言葉の先を容易に想像できた。
怒りはしない。敦の主張も間違ってはいないからだ。
たとえ体が潰れても元通り生き返る。
しかしそれは傷付けられて良い理由にはならないのだ。
一時期とはいえ、子供を見殺しにする理由には、ならない。
今。自分は今、何を言おうとした？
立ち尽くす敦の襯衣を引き、子供は何も知らぬ顔で微笑んだ。
子供は、鏡花の影に隠れるようにしていた初対面の頃より随分と表情豊かになり、よく喋るようになった。
「敦、助けに来てくれたんだな。ありがとう」
芥川は件の動画を見た。鏡花の話も掻い摘んで教え、それは異能によるものではない可能性があると太宰は新たに説明した。芥川は静かに話を聴き、心底安心したように微笑んだのだ。では今も生きているのか、と。
芥川が最後に見たのは、体を刀で貫かれた子供の姿だったと云う。
しかし子供には傷一つない。理由はもう想像に容易い。
敦の眼の前に居る子供は、既に幾度も死に、その度に息を吹き返したのだ。
死という終わりが存在しない生き物は、生き物であると言えるのだろうか。
「敦？ 顔色が悪いぞ」
「……何でもないよ、Aちゃん」
終わり
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麗(プロフ) - 更新されるの楽しみにしています！ (2021年5月8日 12時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
篝火 - こ、更新だーー！！水を得た魚のように、認知して！から読み返して参ります！！！ (2020年11月3日 2時) (レス) id: 77c7a84bb1 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - 篝火さん» 読んでくださる人がいた…！？ひぇ〜すみません放置して 好きとの言葉嬉しいです！ (2020年11月2日 0時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
篝火 - 昨日はハロウィンだったなと思い戻って参りました。好きな作品が止まっていて悲しいです… (2020年11月1日 20時) (レス) id: 77c7a84bb1 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - 芥川さんが幼児ちゃんに貢ぐ……と云うより交流？お出掛け？合法的に会える？日ですね。横浜のハロウィンは平和で楽しそうな感じがします。 (2019年10月29日 23時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめ | 作成日時：2019年8月25日 23時
