触れて ページ18
「挿れずとも互いに快楽を拾う方法はあるはずだ」
「へえー」
「触れ」
「うーん導入が雑」
ソーシャルゲームしながら適当に相槌打ってたら芥川が上半身脱いでた。あまりにも堂々としすぎている。
「触れと言うならそうするけど……」
ぺたりと両手で芥川の頬に触れる。どこかで聞いたけど表情筋を普段から使わない人ほど柔らかいらしい。何が言いたいかっていうと芥川の頬は柔らかかった。
芥川は俺を真顔で見つめ続けている。
「今どういう感情?」
「特に何も……」
無ってことか。不満があるわけではないんだな。
まあ一応脱いでるんだし、と剥き出しになった芥川の白い腹に触れた。芥川の体がぴくりと反応し、俺の手を払う。
「手が冷たい」
「え、うそ。息吹きかけたら温まるかな」
息を吹きかけようとした手を芥川にとられ、そのまま揉まれる。温めようとしてくれているらしいが、芥川の手は俺より冷たいので効果はいまひとつだ。
ふと思い立ち、芥川の鼠蹊部の骨を指で辿った。
「ッふ」
「擽ったい?」
首を横に振られる。そんな耐えるように体を強張らせてるのに。
「絶対に擽ったいと言わせてやる」
「精々励め」
温もったかは謎な手で芥川の腹から胸にかけて擽るように撫でる。現状、文句は言われないので問題ないのだろう。
「……んっ……ぁ、あ」
やっぱり擽ったいんじゃないか。
しかし、途切れ途切れに声を漏らす割には、やめようとすると「続けろ」と吐息交じりに言うのだ。だんだん面白くなってきて、緩急をつけて摩ったり、たまに爪で軽く引っ掻いたりもしてみる。
ずっとそうしていると、明らかに様子が可笑しくなってきた芥川は疲れたようにぐったりと俺に凭れてしまった。その体は熱い。
……やりすぎた?
「同じ、処ばかり……触るな……」
「ご、ごめん……」
でもそれほどには怒っていないのか、芥川はぐりぐりと俺の肩口に額を擦り付けている。それに安堵したのも束の間、俺はズボン越しにもわかるほどの熱を太腿に押し付けられ固まった。耳元に触れる吐息に石化する。
「今日はこれでお開きに……」
「次は僕の番だ」
体を離そうとする俺の首筋から耳の下にかけて、滑らかな芥川の指が這う。
「それに、触れていない箇所もまだあるだろう」と熱っぽい視線で言われた。冒頭からこの展開に持っていける芥川はすごいと思う。
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こめ(元団子)(プロフ) - ドロシーさん» 嬉しいです! ありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
ドロシー(プロフ) - 好きです。(真顔)普通に自分の好きな小説のタイプにドストライクすぎて怖いくらい好きです。もうもっとヤってもらって大丈夫っす(鼻血)これからも応援してます!更新頑張ってください! (2019年8月9日 0時) (レス) id: 1a3258aeeb (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - 鯖野郎さん» ありがとうございます どんどんヤります (2019年5月25日 23時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - ろもざんさん» 文面にセンスがありすぎて笑ってしまいました。更新はややゆっくりですがこの先もよろしくお願いします! (2019年5月25日 23時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
鯖野郎 - いいぞ もっとヤれ(真顔) (2019年5月8日 21時) (レス) id: df533e69bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こめ | 作成日時:2019年1月14日 14時