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に は いち  つー ページ3

A「ありがとうございましたー!」

二番煎じ「いや、マジでごめん」

ミスを連発した二番君が謝ってくる。

石畳に躓き、移動方向を間違えるミスを数回。

しかもかなり序盤で繰り返し連発してしまっていた二番君は、終わってからも謝りに来た。

A「私そんなに気にしてないよ?」

二番煎じ「や、ごめん」

私からすると、失恋したことの方が大きくてあんまり気にならなかった。

もともと凄い気にする方じゃなかったし。

二番煎じ「そういやぁさ、失恋ってもしかしてとみたけ?」

A「いや、まさか!とみたん従姉弟だよ?弟感覚では好きだけど、恋愛対象かって言われると別だね」

白服さんとお似合いだし、と笑って言うと、暗い道中で手を引かれた。

A「二番、君?」

二番煎じ「そいつのこと、どう思ってるわけ?」

A「どうって……」

答えづらい質問に目線を泳がせる。

目の前にその相手がいてペラペラ喋れる程、私の神経は図太くなかった。

二番煎じ「まだそいつのこと、好き?」

少し躊躇ってから黙って頷く。

君の事って気付いてないでしょ?

君が原因って気付いてないから聞けるんでしょ?

二番煎じ「ああ、もう泣くなよ。悪かったって」

A「だって、こんな……っ」

二番煎じ「……そんなにつらいならさ、俺代替わりにすれば?」

二番君の言葉の意味が分からなくてぽかんと口を開ける。

二番煎じ「俺はAを自分の好きなやつとしてみるから、お前も、俺に好きなやつを重ねればいい」

A「でも、それって……」

二番煎じ「卑怯、だろ?」

薄く笑った二番君は、一回り以上大きい手を差し出してきた。

闇夜に光の宿る二番君の瞳に吸い寄せられるかのように、私はゆっくりとその手を取った。

に は いち すりー→←に は いち  わん



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作者名:damia | 作成日時:2019年10月14日 11時

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