に は いち わん ページ2
A「二番君」
二番煎じ「何?A」
A「好きな人いるって本当?」
コラボ動画をとる序でに、とみたんから聞いた「好きな人いるっぽい」というのを確かめるべく聞いてみる。
二番煎じ「そういうお前はいるのかよ」
A「二番君好きだよ?」
二番煎じ「そういうんじゃねぇよ……。まぁ、いないこともない」
A「え、何それ超微妙」
居るのは分かったけど、これ以上は絶対答えてくれる気ないな、と着ていた服のブラウスを直す。
今日の撮影の曲は恋は気まぐれイリュージョン!だ。
ちょっとレトロな服を意識してみたけど、何しろいつもカジュアル寄りの服が多いせいか、どことなく落ち着かない。
A「って言うか、いるなら私とこれ踊るの良くないんじゃない?」
二番煎じ「別に関係ないだろ」
立ち上がった二番君が、スカートで体育座りすんのやめろ、と言ってカメラの前に立った。
それこそ関係ないじゃん。
何ならこの下スパッツ履いてるし。
適当に返事をして立ち上がり、私もカメラの前に立つ。
A「ねぇ、もしその好きな人に好きな人いたらどうする?」
好きな人が誰って答えてくれないなら、これくらい答えてくれてもいいだろう、という視線を向ける。
二番煎じ「お前はいるわけ?好きな人」
A「質問の答えになってないよ、二番君」
二番煎じ「で、どうなの?何ならどこまで進んでんの?」
やけに食い気味に聞いてくる二番君と、目線が合わないように下を向く。
A「最近、失恋しちゃった」
石畳の床を見ながら呟くと、二番君は、
二番煎じ「Aに落とせないやつとかいたんだ」
と言ってきた。
A「私の事なんだと思ってるの?」
二番煎じ「No,1キャバ嬢とか?」
二人して笑っていると、手伝ってくれているスタッフさんから声がかかる。
二番煎じ「俺も最近失恋したばっかだよ」
A「そんな中これ踊って大丈夫?」
二番煎じ「お前も一緒だろ。Aが大丈夫なら大丈夫って言うしかないし」
さらっと格好いい事言って、カメラを見据える二番君。
A「そっか。なら大丈夫」
君相手に失恋したことも、今これを踊ってる瞬間だけは忘れさせてくれるって信じてる。
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作者名:damia | 作成日時:2019年10月14日 11時