勘違いするな！ ページ2
会食後、私の部屋にテオとグリまるを招集して話し合うことにした。
『どうしよう……』
「断って、同盟の話が無くなるのも困るしなあ…」
私とテオのふたりとも、頭を抱えて悩んだ。
「よし、姫。ぶっちゃけて聞くぞ……誰が1番好みだ？」
『まだ1日くらいしか会ってないからわかんないよ』
「じゃあ、今は俺が有利だな」
『なんか言った？』
グリまる「俺が有r」
「なにも言ってないぞ？」
やけににっこり顔のテオがグリまるの口を塞いだ。
う〜ん、でも、このままあの3人の中から選べって言われても困るな。
『私１回クロムと話してくるよ』
「くれぐれも失礼のないように断るんだぞ」
テオは「断る」の所を強調しながらそう言った。
きっとどうにかなるよね？
同盟廃棄だけは避けよう。
「姫リン行っちゃったリン」
「…うう〜グリまる……俺は…俺は…」
涙を薄く浮かべるテオに、グリまるは呆れ顔を返した。
「さっさと告白すれば良かったリン！！」
「無理だってば……」
、
クロムが居るらしき部屋の扉をノックした。
クロムはすぐに扉を開け、こっちを見下ろしてきた。
『すみません、お話があってきました。少しよろしいですか？』
「ええ、どうぞお入りください。そちらの椅子にでもおすわり下さい」
私は指された椅子に腰掛けようとした。
その時、扉の鍵を閉める音が聞こえた。なんで鍵を閉めたんだろう。
『？？……ええと…？』
真面目な顔をして、私に近づいて来る。
「もう結婚相手を決められたのですか？私としては嬉しい限りですが、もう少しお考えになられた方がいいかと思いますよ」
あれ？なんか勘違いしてない？？自分と婚約するとか思ってんの？
『そういうことで来たんじゃ無くて…』
「…いや……このまま私と結婚すれば私も得をする……｣
『え？』
「…いえ！選んでいただけて嬉しく存じますよ、姫。あ、いや……A」
『ひゃっ』
急に耳の近くで名前を呼ばれた。驚いて変な声が出てしまった。
「ほう…耳、弱いんですか」
『いや、ほんとに…ひ、あ、…』
耳に息を吹き込んでくる。自分の顔が赤くなっているのがわかる。
ど、どうしよう…断ろうにも、このままじゃ上手く喋れない…。
『や、ぁあ…っ』
次は耳を舐め始めた。ピチャ、と言う音と私の声が小さな部屋に響く。慌てて口を塞いだ。
「…ほら、我慢しないで」
その瞬間、扉を強く叩く音がした。
「宰相様！宰相様ー！」
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作者名：べっこう飴 | 作成日時：2019年1月26日 0時
