【stpr】こんなダメ人間に恋したとか本気ですか？ 2

ダメ人間87 ページ44

あれから一ヶ月弱

無事にリスナーさんたちへの説明も終え、私たちはすとぷりメンバーが立ち合うなか結婚を果たした

皆涙を流していたり、目を細めて喜んでいたり

様々なリアクションで私たちを祝ってくれた


もちろん、私がお世話になっている菊地さんもその中の一人だ

静かに微笑んで祝福してくれていた



さて。話は変わるが、さとみくんと出会うまでのことを思い返すと、ろくなことがない人生だったと思う

ブラック会社はクビにされるし、彼氏には浮気された挙げ句フられるし、親からは一方的に縁切られるし。

こんなにドミノ倒しで不幸が舞い降りるのってかなりレアだよね、なんて。


ろくでもない事を恨む一方で、ちょっと感謝してるところもある

それは私とさとみくんを引き合わせてくれたこと

こんな風に言うと柄でもないかもしれないけど、さとみくんと私の間にはちょっとした運命があったんだと思う

人生って最後までやっぱり分からないものだ


・・・やばいな、自分で考えてて恥ずかしくなってきた

ちょっとだけ指先から目をそらして二時の方向を見る


そうするとそこにはいつから来ていたのかさとみくんの姿が

『さとみくん、はよ』

さ「ん！Aおはよ」

私が挨拶すれば全世界がひれ伏すであろう満面の笑みを浮かべて返してくる

相も変わらず顔面偏差値が高くてあざといようで


ちょっと羨ましくなりつつも、ふわふわ頭を撫でて立ち上がる

『それじゃあ今日もダメ人間なりに頑張ろーかー、おー』

さ「おー？」

『あ、でもさとみくんから好きって言って貰わないとやる気出ないなー。言って？』

さ「え"っ！？なんでそんな話になったの！？」

『いいから、いいから』


拝啓、以前の私


さ「えっと・・・。A、愛してるよ」


こんなダメ人間でも愛されることはありました

あとがき→←ダメ人間86

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す