【stpr】こんなダメ人間に恋したとか本気ですか？ 2

ダメ人間82 ページ39

メンバーたちが恋バナで盛り上がる中彼は＿＿＿＿


さとみサイド



ごめん、ちょっと外出してくる


そう表示されたっきりずっと変わらないトーク画面

俺の送信したスタンプだけが寂しく映っている

俺が過保護なだけかもしれないけど、もう19時だ

莉犬とかにメールを送るべきだろうか

けど今一緒にいるとか言われたら暫く立ち直れないしなぁ・・・

どうしたもんかと悩んでいるとピコンッ、と軽やかな音がなる

タイミング的に絶対Aだ！

わーい、と実年齢に相応しくない喜び方をしつつトーク画面を開けばやっぱりA


急いで帰りますっ(＞д＜;)


可愛い顔文字つきでそう返信がきていた

さ「やった！」

ぱたぱたと玄関まで走り、座る

Aが帰ってくるまでここでスタンバイして待っとこ

ぴょこぴょこ体を揺らしながらAを待った





それから十分ほど経った今、扉越しにAの気配がする

これ絶対に帰ってきてるやつ

Aに関しては誰よりも鋭いという自負を持って立ち上がる

さ「Aおかえりっ！！！」

『さとみくん、ただいまぁっとうぇい！？』

そうすれば俺の予想通りAが帰ってきた

俺が急に抱きついたことにビックリして変な声をあげていたけど、それすらも愛しい

さ「んふふ、びっくりした？お帰り」

すりすりとAに頭を押し付けるとどっかで嗅いだことのあるような匂いがする

なんだっけ、この匂い

絶対に知ってる匂いなんだけど匂うのが僅かすぎていまいち分からない

さ「んー・・・？」

『んー？』

俺が首をかしげると同じようにAも首をかしげる

可愛い、じゃなくて

さ「今日俺の知ってる誰かにあった？なんか知ってる匂いがする」

すんすん、と匂いを嗅ぎながら尋ねると気まずそうに顔をそらす

むむむ

もしやメンバーの誰かとこっそり会ってたりして・・・！

さ「ねぇ、誰」

声色を変えて問い詰めると、Aはようやく口を開いた

『さとみくんと同じ香水つけてみた、です』

さ「へ？」

拍子抜けしているとゴニョゴニョと気まずそうにAは続ける

『この前ネットで見つけて、お揃い嬉しいから、その、ノリでつい・・・』

さ「・・・！」

『い、嫌だったらやめるからっ！』

俺が何も言わなかったので不満ととったのかそう口走るA

よかった、早とちりで

さ「んーん、俺もお揃い嬉しい」

安心して一段と強く抱きしめると、Aの手が遠慮がちに背中に回される

うちのお嫁さんが今日も可愛い

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