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艦隊砕け散る ページ6

怯えている彼らを見て張は、

「どうした? 何をビビってやがる。奴らの提督は劣勢を諸共せず突っ込んできた。勇敢だ。俺は勇敢な奴は大好きだ。俺たちも奴らの勇敢さを見習って正々堂々戦うべきだ。命令する全艦敵艦隊に右舷を向け迎撃せよ。一歩も引くな。工作船には大破した二隻の航行能力を直しに行け」

と言った。各員は気を取り直して作業を開始した。忽ちに全艦は配置について重イオン砲が斉射された。

「迎え撃って来たか。レールガンの発射準備はできたか?」

「はい。いつでも」

「あとは艦長の判断次第だ……」

各艦長はすぐに発射命令を出した。ミシェル艦隊が負けじと撃ち返した砲弾は駆逐艦南鄭に直撃し中破させた。張の艦隊の砲撃はミシェル艦隊の見事な操船技術のせいかほとんどあたらなかった。しかし、それでも小さな損傷が積み重なり死者は増え火災も起こり始めた。

「駆逐艦隴西小破!1型工作船44号中破!」

「なかなかやるな。敵を追い込むように砲撃せよ。油断するなよ? 」

張少将麾下の駆逐艦は上下に散らばり中央に向かって順々と砲撃した。これはさすがに避けることは困難でありミシェルやその部下は本格的に死を覚悟した。

「もうダメか……皆よく頑張った。……銃後の民よ永遠なれ!」

周囲の者も故郷のことを思い泣くものすらいた。口々に良くやったと唱えて泣きながら笑顔を浮かべた。

その時、張艦隊より発せられたミサイルがミシェル中将の乗艦に一直線に向かってきた。距離はあったがすぐに来る。もう迎撃の余地はない。多くのものが目を瞑って黙り込んだ。すると、突然何かが目の前を遮った。その何かにはこう書いてあった

『DD43-2』

「こ、これは!?セブール・ニオルテーズの番号だ……あっ! いかん避けるように指示しろ!」

ミシェルは声を振り絞って脂汗を流しながら言ったがもう遅かった。不意に目の前が光り、もうそれは目に前になかった。ただ残骸と死骸が眼下に消えていくのみだったという。

「彼女の死を無駄にするな! 押せ!」

全艦はよろよろと突っ込んでいった。だが飽和攻撃には耐えられずついに共に大破し海中に消え去った。張は一つ敬礼をし、部下に休むように言ってから便所に入った。

「張君、ちょっといいかね」

突然張のテレビ電話に副総統、皇甫羨から通信が入った。張は寛いでいたためびっくりしてあたふたしていた。

「小官に何用ですか?」

副総統の籌略→←決死の突撃



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設定タグ:戦争 , 軍事 , 宇宙   
作品ジャンル:SF, オリジナル作品
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デ・ロイテル(プロフ) - 特命さん» ご清覧ありがとうございます。そうでしたか、失礼しました。見つけ次第すぐに対処致します。本当ですか!?ありがとうございます。推敲には力を入れているのでそう言っていただけると嬉しいです。続編の方もよろしくお願いします。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
特命 - 楽しく読ませて頂いています。どこかに「機器」が「危機」になっている箇所と、助詞の「は」が重複して「はは」になっている箇所があったようです。勘違いでしたらすみません。これほどの長さの文章で2カ所だけってすごいです。続き楽しみにしています。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 3f4c6d750f (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 次で50話ですね。キリ悪い…… (2018年10月4日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - デ・ロイテルさん» これからも頑張って!!おうおう、良かった〜……(チャット化しそうなので返信不要) (2018年9月30日 0時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - Olivie(オリヴィエ)さん» いえいえとんでもない!これからも精進しなくては!嫌うなんてないで。三笠と一緒に居れるねんで?ぜーんぜん怒ってへんよ。 (2018年9月30日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:デ・ロイテル | 作成日時:2018年8月12日 0時

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