愛吐 18 ページ24
慣れない部屋の掃除をしながら電話をする。盗聴器や、カメラなどは念入りにチェックしたもののどこに仕掛けてあるかわからない為慎重に。
『……もしもし。嗚呼樋口ちゃん。徹夜明けなのにお疲れ様。拙いよ。組合の刺客が来た。そっちは?』
「芥川先輩が人虎との決闘の末、重症を引きずったまま単独で敵組織に乗り込みました。
その際に拐かされましたが黒蜥蜴の応援もあり無事奪還に成功しました。相変わらずの重症ですが」
樋口ちゃんの軽い説明に頭がぐらりと揺れた。どっしりと重いため息をつく。
『あぁ……それで、樋口ちゃんは平気?怪我は?』
「私は平気です。櫻田準幹部もお身体は平気ですか?」
『私は何も無いよ。ただ芥川くんの件に関しては少し報告が欲しいかな。今から行くね』
「わかりました。お待ちしております」
組合に顔が割れぬようにと太宰さんから自宅謹慎を食らった私は樋口ちゃんと連絡を取り合っていたが芥川くんの身体が心配なのであくまで"ポートマフィア"として外に出る。
なので一時的に異能を解除し万一組合と遭遇しても存在がバレぬように探偵社員でもマフィアでもない一般人の空気を纏わせる。
バレたら怒られるだろうな、そんな事をぼんやりと頭の片隅に入れながら外に出た。
________
カツカツと低い慣れたヒールを履き横断歩道を渡る。
勿論太宰さんは車等持っていないし生憎駅の方に向かわないとタクシーは無い。一先ず大通りで組合による街へ与えた影響は無いか見乍ら駅まで向かう。
が、その途中によく見知った顔に会った。
「エリスちゃぁ〜ん!何処へ行ったんだい?」
…あの人は_______
『首領。此処で何を…』
「…?おや?君は…」
首領は私の瞳を凝視する。櫻田です、と一言いうと納得したように頷いた。
「そう云えば君は任務で異能を随時使っていたのだったね」
首領は眉尻を下げて何かに縋るような表情で私の腕を掴んだ。
「Aちゃん。エリスちゃんがいなくなってしまったのだよ」
『…はい?』
「私が少ぉし目を離した隙に、どこかに消えてしまってね.......ああ!エリスちゃ〜ん!出ておいで〜!」
首領の声に歩く人達の視線を集める。目立ってしょうがない。
『首領、私も探すの手伝いますから.......』
私も私でぐるりと交差点を見渡すと明らかに異質な空気をまとった少女とひとり、すれ違った。
「遊びましょ☆」
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時