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私は自身の腕の中にいる彼女を横抱きにするとコツコツと拠点へと戻る。執務室に入り扉を閉めると彼女をソファに放り投げた。
「……却説、お遊戯会は終わりだ。君のせいで面倒事に巻き込まれた。どう落とし前を付けてくれるんだい?」
『…彼の事を知るには下手に監視下にいると彼の身元調査や任務に支障をきたすと思いました』
私を見据えて至極真っ当だとでも云うかのように彼女は云った。本当に無能。使えない。
「へぇ……態々彼に近づいて引き出せる情報は沢山あっただろうに」
『それは……!』
浅瀬の海のような瞳を見開きパチリと睫毛を伏せると何かを口ごもった。だが普段の穏やかな口調ではなかった。
「え?何だいその挑発的な態度。君何様のつもり?私と戦って勝てると思う?」
私が顔を近づけると目を合わせぬように斜め下を向いた。
(A、別に私はあの場で態々接吻する必要などなかったと思うのだよ。ただ接吻をしたのは私欲だった。その事に君は気付いているのかい?)
『…私は、仕事と雖も好きでもない男性に触れられるのが嫌だっただけです』
ほんの少し瞳を潤ませ耳は赤かった。
え…?この子は何を云うのだろうか。何これ煽ってるの?
「ふぅん。じゃあ君はこの件でしくじって首を切られようとも何も云えない訳だね」
『…しくじらないようにします』
「ならば精々体術の一つでも習得することだね。わかったらさっさと出て行くが良い」
死に平静を装い彼女を部屋から追い出した。仕事の後これは彼女をどうにかするしかないと考え乍ら扉の前で顔を覆い座り込んだ。
あれ?私ってこんなにチョロい男だったっけ。
「色気やばいよ…ほんとに」
次の日Aが腰を痛めたのは云うまでもない。
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遅くなってしまって申し訳有りません!少し支離滅裂な場所もありますが番外編だと思って緩〜い目で閲覧していただけたら幸いです。
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時