けじめ ３５ ページ36
本当によく知り合いに会う。
「先日ぶりだな、櫻田」
『こんにちは…織田さん』
街を歩けばエリス嬢に会い路地裏を避けて歩くも明らかに密輸取引をする連中に出くわし、構成員は私服で街中を監視という名目で歩き回るし今度は散歩中(?)の織田さんに会う…
全く、ポートマフィアは暇なのか。と云いたくもなる。
『織田さんは今日非番ですか？』
「否、ひとつ面倒な任務を任されていてな。今は休憩時間と云ったところか…」
織田さんはそこまで話しふと子供は好きか、と私に問いかけて来た。
『好きです』
小さい子は好きだ。別に変な意味があるわけでもなく…ごく普通に無邪気な子供を見ると心が和む。
織田さんは少し考えた後何か云おうとして口を開いた。
その時のことだった。
「…」
『…』
私の胃が盛大に収縮運動を起こした。女性として恥じるべき行為に赤面した。
「…なあ櫻田。腹減ってるか？」
『…』
「俺もこれからちょうど昼飯に行こうと思ってたんだが一緒にどうだ？」
『…』
「何故さっきからお前は下を向いてるんだ？」
これが天然って事なのだろうか。
バーで話していた時から的外れな回答に若干何かは感じていたがまさかここまでとは。
逆に織田さんで良かったかもしれない。あのドS上司だったらどう莫迦にするかもわからない。
『是非、ご一緒させてください』
________
『辛っ』
「甘党か？」
私は"自由軒"という店の混ぜ伽哩を食べている。
織田さんはとっくのとうに食べ終わっているのにも関わらず私はまだ皿の半分しか到達していない。
最初店に入った時に何を頼めば良いかわからなかった私は織田さんと同じものを頼んだ。今では甘口伽哩にすれば良かったと少し後悔している。否、可也。
「はははは！お嬢ちゃん育ち盛りなんだからもっと食べな！」
『お、お水…』
食べ終わる頃には舌の感覚は殆どなかった。口の中が大噴火を起こしているかの如く熱かった。
外気に触れるとまたヒリヒリとして先ほどの辛さを連想させる。
私が食べ終わるのを待っていた織田さんは店主のおじさんに問いかける。
「子供たちの様子はどうだ？」
「相変わらずだよ。小型ギャングさ。五人だからまだ何とかなってるけど、もう五人増えたら国際協力銀行の襲撃だってできそうだね。皆二階にいるから、お嬢ちゃんも一緒に顔を出してくるといいよ」
付いて来い、と織田さんに云われてそのまま階段を登ると扉があり織田さんはその扉を開いた。
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nemucan427(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！この作品面白くて大好きです お手数ですがパスワードを教えていただけないでしょうか？ (9月1日 21時) (
レス) id: 8afaa5b029 (このIDを非表示/違反報告)
なずな(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！とても面白かったですよろしければパスワードを教えて頂きたいです (2023年3月28日 11時) (レス) id: 77590b4a4c (このIDを非表示/違反報告)
アルルの「 」 - 太宰さんの歪んだ愛し方が本当に大好きです・・・！！ (2023年3月13日 1時) (レス) @page41 id: a35ce8017e (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜(プロフ) - 桜雪さんはじめまして!!作品とても面白かったです。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2023年2月5日 18時) (レス) @page10 id: be050932d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞奈斗(プロフ) - この作品に出会ったばかりなのですが、とても面白く続きを読みたいです！パスワードを教えて頂くことは可能でしょうか...？( ˊᵕˋ ;) (2023年2月5日 8時) (レス) id: c32082b1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雪
| 作成日時：2018年3月29日 13時
