けじめ ３２ ページ33
ふと隣に人の気配を感じ、目を開けると太宰幹部が座っていた。
『今、何時ですか…』
「うーん。君の家の時計が合ってれば４時くらいかな」
『そうですか…』
もう一度眠りにつこうとしたところで太宰幹部がバスタオルで身体を拭いている姿が目に映った。
夢うつつ状態から一気に現実に引き戻され、頭に冷却水をかけるかの如く自分を落ち着かせようとするが赤面が止まらなかった。
『太宰、幹部！じょ、上半身…』
そう、彼は上半身何も見に纏っていなかったのだ。
太宰幹部は呆れ顔をしながら包帯を巻いていた。
「先刻迄この身体に抱かれてあんあん云ってた人が急に何？」
『ちょ、そう云う事は…！』
真顔で其れを云う彼に私は恥ずかしさで近くにあったクッションに顔を埋めた。
直視できない。
『その、シている時は何時も電気を消してるし…』
私がぼそぼそと呟くと、太宰幹部は成る程ね、と云った。
今ので聞き取れたのか。
「男の裸を見るのは初めて？」
今度は意地悪そうに微笑んだ。
『私に今迄彼氏が居たと思いますか…？』
「へえ…私が初めてなのか。何となくわかっていたけど耳寄りな情報を貰ったよ」
何が耳寄りですか、と突っ込みたくなったが羞恥を隠す為布団に潜った。
くすくすと笑いを堪えている声が聞こえた。
さっさと寝てやろうと目をぎゅっと瞑るとそっと布団を剥がされた。
反射的に其方を向くと上半身裸、否正確には包帯だけの太宰幹部が寝そべっていた。
「まあ今夜だけはAを久しぶりに独り占めさせてくれ」
『何が"今夜だけ"ですか…』
私は貴方のものです、と云える関係になれればどれだけ良いものか。
否、それじゃあ本当に太宰幹部の事が好きみたいじゃないか。
違う…そう云うのじゃなくて…
「もう一回する？君も体力ついたみたいだし」
『しませんっ！』
太宰幹部は笑うと私の身体を抱きしめた。
『…太宰幹部の莫迦』
「Aと居れるなら私は莫迦でもなんでも良いよ」
きっと、この言葉だって色んな女性に云ってきたのだろう。
簡単に信じては…駄目。
すぐ近くで聞こえる太宰幹部の胸の鼓動に耳を傾ける。
もう何度も閨を共にしてきたはずなのに矢張り上司と寝るのは変な感じがする。
心臓が変な風に音を立てるが、何故だかその温かさに安心した。
私はやっぱり太宰幹部の事が好きなのかもしれない。否、それはないか。
余りの心地よさに私はすぐに眠りの世界へと落ちて云った。
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nemucan427(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！この作品面白くて大好きです お手数ですがパスワードを教えていただけないでしょうか？ (9月1日 21時) (
レス) id: 8afaa5b029 (このIDを非表示/違反報告)
なずな(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！とても面白かったですよろしければパスワードを教えて頂きたいです (2023年3月28日 11時) (レス) id: 77590b4a4c (このIDを非表示/違反報告)
アルルの「 」 - 太宰さんの歪んだ愛し方が本当に大好きです・・・！！ (2023年3月13日 1時) (レス) @page41 id: a35ce8017e (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜(プロフ) - 桜雪さんはじめまして!!作品とても面白かったです。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2023年2月5日 18時) (レス) @page10 id: be050932d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞奈斗(プロフ) - この作品に出会ったばかりなのですが、とても面白く続きを読みたいです！パスワードを教えて頂くことは可能でしょうか...？( ˊᵕˋ ;) (2023年2月5日 8時) (レス) id: c32082b1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雪
| 作成日時：2018年3月29日 13時
