けじめ １０ ページ11
可笑しい。
『あ、あの…中原準幹部？』
「否、何でもねェ。悪い」
明らかに可笑しいのだ。
若干赤い顔、掠れた声、とろんとした目。
朝一で直ぐに気づいた俺は風邪かと尋ねてみると気のせいですよ、と笑顔で返されてしまった。
「なァ、A。…おい、A？」
先程まで目の前に居た筈。
だが、其処には誰も居なかった。気配すらないのだ。
今朝からこんな事が続いている。
『はい。何でしょうか』
そして俺がもう一度瞬きすると何事もなかったかな様に元居た場所に座っている_______
正直此奴の事だから高々風邪で幹部補佐の仕事を休むわけには行かないとか思っているのであろう。
実際、唯の風邪で休まれちゃあこっちも困る。
そんな甘い職場ではない。俺でも風邪を引いても来るだろう。
まあ彼奴を除けば皆そうだろう。
「無理すんなよ。今日は早めに上がれ」
俺はAの頭に手を置くと申し訳なさそうに眉毛を下げてありがとうございます、と頭を下げる。
そう云えば、丁度太宰が今日から仕事復帰したな…
____________
15時から次の任務に向けての会議が開かれる。
と云っても話すのは直接任務に携わる双黒の二人と、二人が喧嘩した時の仲裁役も兼ねて補佐役の私が常に後ろで立って居なければならないのだが。
何かと中原準幹部は気遣ってくれたがこんなに辛い風邪、よく太宰さんは耐えられたなと思う。
身体全体に熱を帯びて、昼頃からは喉が腫れだした。頭も少し痛むし目の前がふらふらと揺れる。
誰が見ても明らかに体調が悪そうなのだが、補佐として心配をかける訳には行かない。
私は異能力を使って何とか周りの人の目につかない様にした。
「A、辛いなら座ってろよ？」
『大丈夫です…』
太宰幹部は会議開始時刻より30分遅刻してきた。
欠伸をしながらやけに上機嫌に会議室に入ってきた。
「やあ、おはよう。否、こんにちは、かな。
私の席は何処かなあ」
「手前遅れてきた癖に何阿保ぬかしてんだ。
早く始めるぞ」
私は太宰幹部と目が合ったので軽く会釈をする。
太宰幹部は数回瞬きするとそうだ、と云った。
「君達に紹介しなくてはいけない人がいる。私の補佐だ、挨拶し給え西野君」
けじめ １１→←お知らせ＋URL貼りました 2018.6.17
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nemucan427(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！この作品面白くて大好きです お手数ですがパスワードを教えていただけないでしょうか？ (9月1日 21時) (
レス) id: 8afaa5b029 (このIDを非表示/違反報告)
なずな(プロフ) - 桜雪さんはじめまして！とても面白かったですよろしければパスワードを教えて頂きたいです (2023年3月28日 11時) (レス) id: 77590b4a4c (このIDを非表示/違反報告)
アルルの「 」 - 太宰さんの歪んだ愛し方が本当に大好きです・・・！！ (2023年3月13日 1時) (レス) @page41 id: a35ce8017e (このIDを非表示/違反報告)
嶺亜(プロフ) - 桜雪さんはじめまして!!作品とても面白かったです。よろしければパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2023年2月5日 18時) (レス) @page10 id: be050932d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞奈斗(プロフ) - この作品に出会ったばかりなのですが、とても面白く続きを読みたいです！パスワードを教えて頂くことは可能でしょうか...？( ˊᵕˋ ;) (2023年2月5日 8時) (レス) id: c32082b1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雪
| 作成日時：2018年3月29日 13時
