思い出の品 ページ16
数日後。
日が沈んでから行われた会議で決定した、明日からの潜入捜査のために支度をしていた。
まったく、日が昇っている時間ではなく、月の昇る時刻に頼りない明かりを使って支度をするのは大変だ。
"潜入捜査"とは、千鶴が島原の角屋にて芸子に扮し、屯所襲撃を目論(もくろ)む浪士たちの作戦や人数を調べ、それを報告するというもの。
ちなみに、私も芸子に成りすますことになっている。
一と山崎君が近くの部屋で護衛し、新八と左之と平助が少し離れた客室でお酒でも飲みながら待機。総司や土方さんは屯所待機で、いざという時に遣いをやって呼ぶという万全な体制だ。
・・・でも、もし千鶴が酔った浪士たちに絡まれた時やへマをやらかした時のために、と私が一番近いところで護衛する事になった。
着物や襦袢を用意している中で、先日簪を総司からもらったことでお役御免となった"昔に"総司がくれた簪が出てきた。
・・・「出てきた」というか、箱に入れてしまっていたのがたまたま目に留まっただけだが。
その箱を手にとって、ふたを開ける。
中から出てきたのは、いかにも手作りのような安い木を滑らかに削った本体に、塗りがはみ出ている蝶の装飾がちょこんとあしらわれているだけの物。
―――でも、これは私の宝物だ。
新しい簪をくれた日、夕餉が終わってから総司に話した昔話を思い返してみた。
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まんさ(プロフ) - Mさん» お久しぶりです!続編書いてきました!・・・そんな、上手だなんて――ありがとうございます!(´∇`)続編でもまたよろしくお願いしますね! (2015年8月4日 22時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)
M - まんささん» 本当ですか!?+。:.゚ヽ(*´ω`)ノ゚.:。+゚。え、まんささん上手に書けているじゃないですか?そんなに気にしなくても大丈夫ですよ!!それにしても、沖田さんが風邪…ねぇ?笑笑(*^^*)看病したい← (2015年7月28日 0時) (レス) id: 7f80429ab2 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - Mさん» 伊東さん斬るまで後数日・・ハアハア((( そろそろこの小説も次の章へと行きます!なんかグダグダしてきてますし、次の章からはシャキッとしたのが書けたらいいな・・・ (2015年7月27日 8時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)
M - まんささん» 今すぐにでも!!笑笑(*^^*) (2015年7月24日 14時) (レス) id: 7f80429ab2 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - Mさん» ここからはわりと飛ばし飛ばしにやっていくつもりですが、何はともあれ熱いシーンが無い…(´・ω・`)伊東さん早く斬りましょう! (2015年7月24日 0時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まんさ | 作成日時:2015年4月27日 19時