25話（修正） ページ25
案内された部屋は、迅さんの部屋からそんなに離れてはいなかった。
部屋に入ろうとドアの取っ手を掴んで、なんとなく迅さんの名前を呟いた。
振り向いた迅さんが、「なに？」と言って私を見る。
「あの……」
出水のこと。
太刀川隊のこと。
レイジさんのこと。
鳥丸や小南のこと。
ブラックトリガーのこと。
そして
あの３人に、私を会わせたこと。
「……どうした？」
「っ……」
迅さんのことだ。
サイドエフェクトで見えていたに違いない。
迅さんは“持っている”人だから。
仲間も信頼もライバルも力も
ぜんぶ。
「……A、こっち見て」
「……？」
ゆっくりと顔を上げて迅さんの顔を見る。
迅さんはドアから手を離していた。こっちに体をちゃんと向けている。
ふと
胸の奥から
何かがこみ上げた。
「Aもちゃんとボーダー隊員だよ。胸を張っていい」
ああ、いつもそうだ。
「なんで……っ！！どうしてですか？！」
涙が溢れた。
「！！」
分かってる。
迅さんに当たるのは間違いだ。
でも
いつもいつも迅さんは私に優しくてかっこよくて。
今日だってそうだった。
勝手に出ていった女なんか
放っておけばいいのに。
自分勝手で嫌われ者のこんなやつ
見捨てればいいのに。
「私に、こんなこと……っ！」
「……」
理解が出来なかった。
裏で何か企みがあるのかもしれないとか
サイドエフェクトで見えているからだとか
考えたりもした。
だけど
「私には、利用されるような価値なんてないのに！！」
その表情が
あまりにも暖かいから。
あまりにも、優しいから。
「……Aは勘違いしてるよ」
「っ！」
「おれは……Aが思うほど、良い人じゃないよ」
迅さんがふっと眉を下げて笑った。
涙が止まらない。
「っ……」
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バターサンド - いつでも更新、待ってます！ (2022年8月27日 9時) (
レス) @page43 id: 2e7d8d77ae (このIDを非表示/違反報告)
バターサンド - 更新やめちゃうんですかね…… (2022年1月7日 10時) (レス) @page43 id: 6f8a91581c (このIDを非表示/違反報告)
ホタル - ただいま更新されているものまで読み終わりました！何故か僕も泣きたくなりました。とても良い作品です、頑張って下さい！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: 675fe13a03 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - 読ませて頂きました。なんだか込み上げてくるものが...。更新頑張ってください！応援してます！！ (2021年1月23日 21時) (レス) id: ba5c7b2e62 (このIDを非表示/違反報告)
ダーク(プロフ) - MIELさん» ただいまです( ；∀；)！更新がんばります！ (2017年12月12日 18時) (レス) id: f48000c1c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ダーク | 作成日時：2015年12月12日 23時
