49 drops ページ4
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A｢っ、じゃあ竜生くんは、！！
私の周りでこれまで何人の人が亡くなったか知ってるの？！｣
｢え、いや、…それは……｣
この前檜山くんから聞いた話だけで考えれば、ご両親とおじいさんで3人だろうか
聞いた限りじゃ、どれもAちゃんは悪くなかったのに、。
ここまでAちゃんが自分を責めなきゃいけない理由って、なんなんだろう。
A｢信じられる、？4人…！！
もう4人も、……っ、
お父さんとお母さん、その時お腹の中にいた弟も、おじいちゃんも、みんな、……っ、
なおだって、…っ、今どうしてるか分からない、
わたしのとなりから、いなくなっちゃった、っ…｣
“なお”
それはAちゃんから初めて聞く、誰かの名前。
その人の現在だけ分からないってことは、檜山くんが言っていた
当時付き合っていた男の子なのかもしれない。
A「弟なんてまだ生まれてもなかった、…っ、みんなが生きるはずだった時間を、私が奪った…っ、」
「だからそれはAちゃんのせいじゃ、！」
A「そんなの分かんないよ、…っ、！！
私だってそう思いたかった、でもみんな言うの…っ！私がいるからだって、
もし仮に竜生くんまでわたしの前からいなくなったら、っ、もうどうしたらいいか分からなくなる…っ、
約束なんてできないでしょ、？簡単に大丈夫なんて言わないで、っ…」
この数ヶ月で知れたと思っていた、君のこと。
近くなれたと思っていた、2人の距離。
増えたと思った、1番好きな君の笑顔も。
全部そんなのは錯覚で
俺は、一枚内側にいる本当のAちゃんに気づくこともできなかった。
A「ごめんね、もう行くね私…っ、」
「っ、待ってAちゃん…！」
A「…っ、！本当に、ごめんなさい、っ」
ひらひらと舞う花びらを掴んだ手の内には、初めから無かったみたく何も残らないように。
必死になって掴んだ腕は情けなく払われて、
するりと、いつの間にか目の前から彼女は消えてしまった。
「…っ、」
なに泣いてんだよ、ばか
まだ温もりが残る隣の椅子には、ポツンと置き去りにされたイヤリング。
こんなところまで丁寧じゃなくていいよ、間違いでもいいから持って行ってよ
綺麗だったはずの煌めきは
滲みまくった視界をさらに滲ませる、意地悪な塊でしかなくなったみたい、だった。
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作者名：スイ. | 作成日時：2023年3月31日 20時
