47 drops ページ2
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「めっっっっっっちゃ綺麗だった…！！」
A「ね、わたしも久しぶりに見れてよかった。」
もう感動、大感動。
自分のことだし、てっきり集中できずに終わるんだろうと思ってたけど
想像をはるかに超えて夢中になった。
会場を出て、近くのカフェで未だ弱まらない雨を横目にちょっとだけお茶して
のんびり、Aちゃんとたくさんの話をした。
俺のバイトのこと、
檜山くんや湧くんのこと、
学童と家での海琉のこと、
それから、Aちゃんの好きなものの話。
時間が許してくれるならもっと一緒に居たかったけど、
あと1時間くらいでAちゃんは帰らなきゃいけないらしい。
それならって、電車に乗り遅れないように駅の待合室に場所を変えてギリギリの時間まで過ごすことに。
初めは流れで普通に会話してたけど、だんだん口数が少なくなってしまって
返事が上の空めいて来た。
視線や仕草もソワソワして見えるし、俺の勘違いなわけでは無さそう。
何か言いたげっていうか…そうだ。
本当は天文学部なんかじゃないって言われた、あの日みたいな、感じがする。
「あ、そういえばなんだけど
俺 Aちゃんに渡したいもの、あって。」
A「なに？…あ、また海琉が忘れ物した、、？」
「違う違う(笑)
これ、よかったらもらって。今日一緒に来てくれてありがとうAちゃん」
Aちゃんがお手洗いに寄ってる間にこっそり買っておいた、あのイヤリング。
鞄からプレゼント用に包装されたそれを取り出して渡すと、何か分らずに戸惑ってる。
「開けていいよ、？」
一瞬目を見開きながら驚いたと思ったら、ブワッと泣き出しそうな顔に変わって
何度も手を伸ばすのに、受け取らずにその手を引っ込める姿に胸の奥がキシキシと痛む
丸いシールを剥がして中身を取り出せば
グリッターが照明に反射してきらきらと揺らいで、Aちゃんの瞳にも届く
震える手にそっと握らせれば、ボロボロと涙がこぼれ落ちてきた
A「ごめん、…、っ、もらえない、」
「え、あ、嫌だったら別に無理にもらわなくてもぜんっぜん大丈夫、っていうか」
A「そうじゃなくて、！」
この様子じゃ、ただ遠慮しているんじゃなさそうだ
あー、俺いまどんな顔してるんだろ
少しでも気抜いたら…泣いちゃいそうかも
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作者名：スイ. | 作成日時：2023年3月31日 20時
