６drops ページ7
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｢おっはよー檜山くん！｣
檜山 ｢おはよ竜生。ねえ結局なんだったわけ？｣
｢え、何が？(笑)｣
檜山 ｢昨日の電話だよ、覚えてないとは言わせないからな。｣
｢…あ〜、｣
講義室の後ろの席。
先に座っていた檜山くんの肩を叩いて挨拶すれば、おはようの次にそれを聞かれた。
覚えてない、わけじゃない。
けど、あんな電話をかけてしまったことが
あとからなんだか自分の中で気になってきて
やば、俺めっちゃ恥ずいやん！！って。
檜山 ｢で？何に落ちたって？｣
｢いや、檜山くんちゃんと聞いてたでしょ昨日！！言わせないでよ！！｣
檜山 ｢聞き間違いかもしんないし。ドブに落ちたんだっけ？なんだっけ？？｣
もうこうなったら檜山くんは正味めんどくさい。
いつもはボケないでツッコんでばっかのくせに、いじる時は悪い顔していじってくるのなんなんだろう、全然きらいじゃないけど。
｢落ちたんだってば、…恋に。｣
檜山 ｢…ガチ？｣
｢俺の顔見てよ！嘘ついて赤くなるわけないでしょ！！｣
熱くなった俺の顔を見てギョッとしてる檜山くんは、正直ドッキリかなんかだと半信半疑だったみたいで。
まあそう思うのも無理はないよね、
あれだけ言って電話切った俺が悪いし。
檜山 ｢いつ？昨日？急すぎじゃない？？｣
｢昨日。…綺麗、だった。｣
そう、綺麗だった。
艶やかな髪の毛も、あの距離でもわかる手の加えられていない長いまつ毛も、澄んだ瞳も。
昨日初めて見たのに、こんなに覚えてるなんて。
頭の中からあの子の顔が離れないの、俺。
檜山 ｢ふーん…自分から好きになるなんて珍しいね。｣
｢まあ、それはそうかも｣
檜山 ｢名前とか聞かなかったの？大学でその子と会った…てことだよね？｣
｢そう、出口で。
…あー名前！聞いた！そういえば学部も聞いた！｣
檜山 ｢…お前ナンパしたの？｣
｢違うよ！気づいたら口が勝手に、｣
ナンパなんて人聞きの悪い。
なんならしたことないよ俺！！
冷静な檜山くんと、ギャーギャーうるさい俺ってのはいつの間にか定番で。
今日もいつもみたいにそうやってたら、講義室の向こう
見えた、昨日のあの子。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
