31話 ページ33
「私の孫は、どうなった?」
鈴芽ちゃんは小さく息をつまらせた
しどろもどろになりながら要石になって常世にいることを伝える
お爺さんは特に声を取り乱すこともなく静かにそうかと呟いた
この病室からも昨日のミミズが見えたらしくて駆けつけたかったと教えてくれた
鈴芽ちゃんは先程よりもお爺さんに近づき常世に入る方法を知りたがった
しかし、お爺さんからしたら草太さんを助けることは必要のないものらしい
要石を刺したのは誰かと、あなたが刺したのかと聞かれて言いよどんだ鈴芽ちゃんに答えなさいと強い口調で聞いて押し出されたかのように私ですと答える彼女
それでいいのだと吐かれた言葉は重いものだった
「―――元いた世界に帰れ!……只人に関われることではないのだよ。すべて、忘れなさい」
鈴芽ちゃんは泣きそうな声で呟いた
そこからお爺さんと鈴芽ちゃんの言い争いが行われる
鈴芽ちゃんの草太さんに対する気持ちを聞いたお爺さんはハッとした表情になりいきなり笑いだした
そして、人が生涯に入れる後ろ戸は1つだけだと教えてくれて、探しなさいと一番落ち着いた声で言ってくれた
「君は臼井の者か…おばあさんによろしく頼む」
いきなり話しかけられた僕はびっくりしながらもお爺さんの目をちゃんと見て頷く
『分かりました』
次に向かった先は草太さんの部屋
鈴芽ちゃんはお風呂借りるねと小さく呟いて入っていった
その間に草太さんの部屋を見渡し、救急箱を探す。几帳面な性格なのか物が見やすい配置だったのですぐ見つかった
医療箱を持ってきていたのを思いだし僕の鞄の中をあさって医療用のピンセットを取り出す
鈴芽ちゃんがお風呂から出てきたので座らして足を見せてもらう
鈴「Aもお風呂借りたら?」
『鈴芽ちゃんの手当てしてからね。あ、まだ石残ってる…ピンセットで出すね』
若干痛そうに顔を歪めたがすぐに顔を戻して消毒液をコットンに染み込ませていた
僕はそれを受け取り傷口に当てて大きめのカットバンを貼る
鈴芽ちゃんの手当てが終わり僕もお風呂に入る
シャワーを流しても流しても赤いのがなかなか減らない
やっとのことで綺麗にし終わって鈴芽ちゃんが手当てをしてくれた
僕たちは制服に着替えて靴を履き替える
鈴芽ちゃんは草太さんの、僕は予備で持ってきていたものを
そして草太さんの部屋をあとにした
美郁さん―*
コメントありがとうございます。
結末は私にも想像できませんが2通り用意出来ればと思っています
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もなか - 入りきらなかったので続きです→わがままですみません...でも、作者様の創るストーリー大好きなので、作者様の創る結末ならなんでも楽しんで読みます!!長々とすみませんでした...汗 (2023年1月5日 11時) (レス) @page34 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - はじめまして!この作品自体は前から知っていたのですが、コメントしていいのかわからなくて...最近、見かけるようになったので私も!!と思いまして...草太さん落ちとか、夢主ちゃんが草太さんの代わりに要石になる結末が見てみたいです...!これからも応援します!! (2023年1月5日 11時) (レス) @page34 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
美郁(プロフ) - めっちゃ主人公がどうなるか気になります!!凄い面白いです!! (2023年1月4日 14時) (レス) id: f0d1cce09e (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 面白すぎです (2023年1月2日 23時) (レス) @page31 id: e2952ddb8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:推しのために今日も生きる | 作成日時:2022年12月8日 10時