30話 ページ32
鈴芽ちゃんとは一言も喋らずに洞窟の中を歩き続ける
話しかけようと思っても草太さんがいない今、鈴芽ちゃんにかける言葉が見つからない
しばらく歩いていたら排気ガス特有の臭いがした
目の前の扉を開けておそるおそる辺りを見回す
そこは僕がよく知るトンネルだった
泥だらけの女子2人に運転者は様々な反応をみせる……まぁ、そうなるよな
なかにはカメラを構えてる人がいたからそのときは顔をそむけた
数分間歩いたら眩しいくらいの光が目に届く
思わず目をつむってしまったが、出口だと分かると自然に足が早くなる
外だ、、洞窟の中で何時間過ごしたか分からないが、何年かぶりに外に出たという感覚になった
ふと、目についた鈴芽ちゃんの足元
『……あ、す、鈴芽ちゃん…足怪我してる』
千果ちゃんからもらった白い靴下は血で赤く染まっていた
鈴「ほんとだ、、気づかなかった」
その声は元気がなく今にも倒れてしまうのではないかと心配するほどだ
僕の靴下を…と思ったが同じく血だらけだったのでやめた
そのままコンビに着くと鈴芽ちゃんはすぐにスマホを充電しに行った
さいわい僕の携帯は無事だったので靴下を2足を買って鈴芽ちゃんのところに戻る
同じくらいの女子高生2人組が僕たちの方を向いてボソボソと話していた
耳に聞こえてきた内容はDV?とか警察に連絡した方がだとか足が血だらけ……とかで僕が誤解を解きに行こうとした時ちょうど鈴芽ちゃんのスマホが生き返る
鈴芽ちゃんは無言で何かを買いに行き、コンビを出るときに女子高生2人組に会釈だけして去っていく
置いてかれたと思ったが鈴芽ちゃんは精神的にツラいだろうからな…と勝手に自己解釈してあとを追いかけた
向かった先は草太さんのお爺さんが入院している病院
2階のフロアを探し出してすぐに宗像という文字を見つけた
病院が持つアルコールの匂いに顔を少ししかめたが病室で響く無機質なピ・ピと音を鳴らすバイタルモニターの規則的な電子音
窓際に大柄な男性が横たわっていた
その人は老いてもなお美しさをまとっている
草太さんに何もかもが似ている
「―――草太は、しくじったんだな?」
鈴「す、すみません、勝手に入って!」
鈴芽ちゃんは慌ててお爺さんに謝る
巻き込まれたのかと聞いてきた声はとても穏やかだった
ねねさん――初めてのコメントありがとうございます。とても励みになります!
204人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もなか - 入りきらなかったので続きです→わがままですみません...でも、作者様の創るストーリー大好きなので、作者様の創る結末ならなんでも楽しんで読みます!!長々とすみませんでした...汗 (2023年1月5日 11時) (レス) @page34 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - はじめまして!この作品自体は前から知っていたのですが、コメントしていいのかわからなくて...最近、見かけるようになったので私も!!と思いまして...草太さん落ちとか、夢主ちゃんが草太さんの代わりに要石になる結末が見てみたいです...!これからも応援します!! (2023年1月5日 11時) (レス) @page34 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
美郁(プロフ) - めっちゃ主人公がどうなるか気になります!!凄い面白いです!! (2023年1月4日 14時) (レス) id: f0d1cce09e (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 面白すぎです (2023年1月2日 23時) (レス) @page31 id: e2952ddb8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:推しのために今日も生きる | 作成日時:2022年12月8日 10時