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売り言葉に買い言葉で言い返すと森さんが現れ私と芽依の前に立つ。
鴎外「そこまでにしなさい、子ネコちゃん。」
彼がそう言うと丁度電気が着いたみたいで周りが白くなっていく。
鴎外「藤田くん、ここはサーベルをしまってもらってもいいかな?」
藤田____
そう呼ばれた彼はサーベルを上げたまま値踏みするように私たちをみてから森さんに問をなした。
藤田「……森鴎外陸軍軍医一等。小娘たちは貴様のなんだというのだ。貴様が庇う程の価値のあるものたちなのか…」
森鴎外…
彼は確かにそう言った。
考えて見れば森林太郎というのは森鴎外の本名だ。
なんて大事なことを忘れていたのだろう。
森さんの正体を思い出し私は自分の置かれている状況をつい忘れてしまう。
だが、ぼーっと森さんをみているとたくさんの人が此方を見ていることに気づき再び自分たちがサーベルを向けられているという事実を知らされる。
少し冷や汗が流れるがこの状況を変えられるほどの力は私にはないので黙って森さんの言葉を待つ。
鴎外「彼女らは私のフィアンセ候補だ。」
衝撃な言葉が森さんから発せられる。
「「「は」」」
藤田「…それは、真か?」
鴎外「そうだとも!な、子リスちゃん、子ネコちゃん!」
芽依「あ、はい!!」
「いや…別に………」
肯定する芽依と否定する私。
だが、
私の言葉は上手く芽依と被り藤田さんには聞こえなかったみたいだ。
藤田「…ふんっ」
そのおかげか、藤田さんはサーベルを下ろすと腰に戻し人混みの中へ戻って行った。
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作者名:あおば | 作成日時:2019年5月1日 17時