冷静沈着な女医 AfterStory IV 【コードブルー】

episode15 ページ15

桜坂先生の意識が戻らないまま2週間経った。

再び救命に戻ってきた藍沢先生は、桜坂先生の意識が戻らない間耕輝くん達の世話､脳外との兼務と寝る間を惜しんで働いた。


緋「藍沢､少し働きすぎじゃない？下手したら藍沢まで倒れるわよ？」


冴「仕事が無い時は桜坂先生の傍にずっと居ますしね…」


白「休むようには伝えているんだけどね…。返事はしてもその場から動かないし…どうしよう…」


スタッフステーションで緋山先生達と話していると慌てた様子の藤川先生が入ってきた。


藤「藍沢いるか！？」


白「今は、脳外の方に行ってると思うけど…どうしたの？」


藤「桜坂の意識が戻りそうなんだ！藍沢が呼びかければ目を覚ますかもしれない！」


藤川先生の言葉に驚きながらも私は急いで藍沢先生に連絡をとった。



藍「…A…！」


連絡を受けた藍沢先生はすぐに戻ってきて桜坂先生が眠っている病室に入った。

私達も中に入り少し後ろで見守る。



藍沢先生が先生が何回か呼びかけた時､固く閉じられたままだった桜坂先生の目がゆっくりと開いた。


徐々に焦点が合うと､その瞳は藍沢先生の方に向けられた。


藍「……っ……よかった…っ…」


安心したように椅子に座り込んだ藍沢先生の肩が僅かに震えていた。



緋「一先ずこれでひと安心ね…」


冴「今は2人きりにさせましょ」


白「…そうだね」


緋山先生と頷き合い静かに病室から出る。



このまま入院して治療すればまたすぐに一緒に働ける。




−−だから、桜坂先生達にあんな苦難が起きるなんて考えもしていなかった。

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