冷静沈着な女医 AfterStory IV 【コードブルー】

episode13 ページ13

桜坂先生が乗せられた救急車に冴島さんと乗り込む。


緋「病院に着くまで桜坂のこと頼んだわよ」


藤「藍沢と約束しているんだからな！生きて一緒に戻るって！」


2人の言葉に頷くと､ドアが閉められ救急車が発進した。


白「足の骨折の固定だけしておこうか」


冴「当て木用意しますね」


白「お願い」


痛々しく折れている足を当て木と包帯で固定する。


白「詳しいことは病院で藤川先生に見てもらおうか」


冴「そうですね､骨に関してはあの人が1番ですから」



藤川先生を褒めている冴島さんを微笑ましく思っていると､ピーピーとアラーム音が鳴り一気に緊張が走る。


白「VT…？」


心電図が異常を示していた。


白「冴島さん！除細動！」


冴「はい！」



電流を流すと桜坂先生の体が跳ね、モニターが正常に戻る。



そのまま異常が起きることなく､病院にようやく着いた。



藍「A…！！」


到着口には､橘先生と藍沢先生が待っていた。


白「頭部外傷と足の骨折､肋骨の方も折れてるかもしれない。すぐにオペ出来ますか？」


橘「オペ室の確保は出来てる､今すぐにでも出来る」


藍「…CT撮ったらすぐにオペをしよう､脳ヘルニア起こしてる。頭を最優先に､白石達は腹部の方を頼む」


ペンライトで瞳孔を確認していた藍沢先生がそう言い､急いでCT室へ向かった。





オペは、何とか無事に終わった。けど…その最中２回目の心停止を起こし桜坂先生はICUの中でも1番厳重に管理する部屋に入り､そこで眠っていた。



緋「熱もあって、SPO2も正常値には戻らないまま…」


冴「肋骨が折れていて肺が破れかけていたので、肺機能がまずそうですね…」


藤「しかも､桜坂は喘息持ちだろ？安心は出来ないな…」




藍「……」


ガウンを着て、桜坂先生の手を握っている藍沢先生の背中をそっと見る。


頭の方も…脳震盪になっていたらしく､目が覚めないとどうなるかは分からないと藍沢先生は言っていた。

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