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それからといもの、視線を感じることが多く
何度か同じ女の子を見かけていた。
ただ、特別何かしてくるわけではないし
部活に支障はないのでスルーしている。
けど、とりあえずその子が成宮に告白した子
なのかどうかを確かめる必要がある。
『成宮。』
「なに?A先輩。」
『バレないようにそのまま目だけ動かして確認して。
室内練習場のそばの木に立ってる女の子って、
クリスマスに成宮に告白してきた子?』
「うわっ!そう、あの子!あれ、俺A先輩に言ったっけ?」
『カルロスと白河に聞いた。何かされるかもしれないから
気をつけといてって。』
「もしかして、何かされた....?」
『いや、何も。ただ、最近視線感じて見渡したら、
大体あの子が私のこと見てる。』
「ちょっと、俺言ってくるわ。」
『いい、いい、いい!別になんもされてないし。』
「でも知らない人にずっと見られてるのって
相手が女でも気持ち悪くない?」
『そりゃいい気はしないけど、その内来なくなるでしょ。』
「そうかなぁ...。...何かあったら絶対言ってね。」
『分かった。ありがと。』
結局その日も、目が合うとすぐにどこかへ行ってしまった。
しかし、数日後事件は起きる。
私は放課後の練習中、少しグラウンドを離れて
部室での用事を済まそうと移動していた時。
「あの、少しお時間良いですか。」
『えっ、あ、はい。』
あの子だ。ついに話しかけてきた。
ここは今練習している部員からは全く見えない場所になっている。
「率直に聞きます、先輩、成宮君と付き合ってるんですか?」
『付き合ってませんけど。』
「じゃあ、好きですか?」
『あなたに教える必要はない。好きだったらどうなの?』
「あなたみたいな周りに男ばっかりいる人は、
成宮君にはふさわしくないと思います。」
『はい?』
「私は成宮君のこと、ずっと応援してきました。
これからも一番近くで応援したいんです。」
『まぁ応援はしてあげて下さい。頑張ってるので。』
「そういう意味じゃありません!彼女になりたいんです!」
『それは私には関係ないよね。成宮とあなたの問題でしょ。』
「そうやってあなたの何でも分かったような所が嫌なんです。」
な、なんなんだこの子。
いきなり話しかけて私をビッチ呼ばわりして
挙句の果てには嫌いだと言われた。
私、あなたに何かしましたか?
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作者名:mari | 作成日時:2022年8月12日 12時