【◇】稲実エースが惚れちゃった (ページ5)

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放課後、今日は新1年生が初めて全員そろって練習に参加する日。
しかし、集合時間近くになっても約1名見当たらない。

いないのは、噂の成宮だ。

『その辺探してくる。』

原「悪いな、頼む。」

トイレかどこかに行ってるのかと思ってたが
どうやら女の子に囲まれているところを発見。

入学して早々すでに人気者ってか。

『成宮、こんな所で話してないでグラウンド戻って。』

「え～鳴くん行っちゃうの～？？」
「せっかく話せたのに～。」

成「あんた誰？先輩？」

『2年マネージャーの如月。もう集合時間だよ。』

成「マネージャーさんかぁ～。そんな急がなくてもよくない？」

初対面から生意気な奴だな。
雅の言ってた通りだ。

しかし私も先輩として怯むわけにはいかない。

『早く戻れって言ってんだよ。』

成「...！！？こ、怖い、先輩怖いよ！！」

やっと言うことを聞いてくれたようで
ダッシュで戻っていった。

その日、成宮はめちゃくちゃ怖い2年のマネージャーがいると
触れ回り、私は1年全員から怖がられる存在になってしまった。

その日の練習後---

吉「いや、まじで傑作だろ！」

平「俺らになめられるなって言っておいて自分が
一番怖がらしてんじゃん、やば、笑いすぎて腹痛い..！」

二人は今日のことでお腹をかかえて笑っている。

『もうっ、うるさいな！笑いすぎだよ！？』

原「お前あいつに何言ったんだよ。」

『女の子といつまでも喋ってるから
早く戻れって言っただけなんだけど。』

吉「よっぽど怖かったんじゃね？あんな生意気そうな
成宮がビビるくらいだもんな！」

平「他の1年までAと距離取っちゃってるしね！」

そう言いながらまたゲラゲラ笑いだす二人。

『ほんといい加減にしなよ...？
二人だけ今後一切、練習手伝わないよ。』

平/吉「「すみませんでした。」」

原「まぁそのうち1年も気にしなくなるだろ。ほっとけ。」

『だといいんですけどね～。じゃあ今日は
雪先輩と帰るから。また明日ね。』

原「おう、お疲れ。」

帰りに1年生とすれ違ったら、もの凄い勢いで挨拶される。
いや、私監督じゃないしそんな全力の挨拶いらないんだけど...

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雪「Aちゃん、1年生に大人気だね！」
『いや、大人気ではないと思います。』
雪「これから1年半一緒に頑張るチームメイトだもん
仲良くなれそうでよかったじゃん！」

現時点ではビビられてるだけなんですけどね。