【◇】御幸一也の姉ちゃん (ページ17)

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ポジションページ17

一也がリトルのチームで野球をやり始めてから少し経った頃。

『キャッチャーやりたいの？？』

「うん、今日監督にも俺がやりますって言った！」

『へえ～。てっきりピッチャーやりたいのかと思ってた。
一也、制球力あるほうじゃない？』

「キャッチャーのほうがかっこいいよ。
グローブだってみんなと違うところがいいんだ。」

『きみ、大人だな。...そっか、キャッチャーか、いいね。』

「ねえちゃんはショートでしょ？」

『うん。』

「ねえちゃんは絶対ショートだよね。
キャッチャーのかっこよさはさー－－」

ソフトと野球という違いはあるけれど
こんな風に一也と野球談議ができるのは素直に嬉しい。

それにしても、キャッチャーを選ぶとは。
確かに、一也の性格なら冷静な判断ができそうだ。

ソフトや野球は、頭脳戦でもある。
どのポジションも、都度考える必要はもちろんあるが
キャッチャーは中でも別格だ。
ピッチャーとのバッテリーはもちろんのこと
守備の時は要となり、チームを引っ張っていかなければならない。

薄々ではあるけれど、一也には少し協調性が
足りないと感じることがある。
一也の主張が間違っているわけではないが、調和というものは
チームプレーをしていくうえで何より大切だ。
まぁ、好きな野球のためなら、一也も我慢を覚えるだろう。
それに小学1年生にそこまで求めるのも、よくない。

何はともあれ、今後の一也のキャッチャーとしての成長が楽しみだ。