リトルリーグ ページ16
一也の入学式も終え、数日経ち、今日は
一也が所属することになったリトルチームの練習初日だ。
『忘れ物ない?本当に一人で行ける?大丈夫??』
「そんなに遠くないし大丈夫だよ。
ねえちゃん、早くぶかつ行かないとおくれるよ。」
一也は最近、家事も積極的に手伝ってくれるし、
何よりしっかりしている。
私としても、とても助かるが、手のかかっていたころが懐かしい。
『じゃあ姉ちゃん先行くね。帰りは寄り道しちゃだめだよ。
行くときちゃんとお父さんに声かけてね。』
「わかってるよ〜。はい、いってらっしゃい。」
荷物を渡され、早く行けと促される。
ねぇねねぇねと後ろを引っ付いてくる一也はもういないようだ。
それが寂しくもあるが、一方で成長を感じる。
でもあんまり寂しいと言っていると、ウザイと思われそうなので
本人にはあまり言わないようにしている。
部活へ向かう途中、考えるのはもちろん一也のことだ。
初日の練習、見たかったな〜とか。
仲のいい野球仲間、できたらいいな〜とか。
今後ポジションはどこになるのかな〜とか。
考え出したらきりがない。
今度部活が被らない日は、絶対見に行こう。
ちなみに私はというと、ソフトボール部で実力を認められ
この春から、レギュラーとなっていた。
ポジションはショートだ。
動き回るのが好きな私にとって、最高のポジションだ。
ただ、内野の要でもあるポジションのため、責任の大きさも感じている。
先輩や同じ学年の子たちには、家の事情を話しており
みんな快く受け入れてくれた。
仲間にも恵まれて、ありがたいことだ。
その日の夕飯で、一也に今日の練習のことを聞くと
私が口を挟む暇もないくらい、話してくれた。
野球をできることが、よほど嬉しいんだろう。
一也の楽しそうな顔を見ていると、私まで嬉しくなる。
今後一也の野球を見ることが、より一層楽しみになった。
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作者名:mari | 作成日時:2022年7月26日 0時