決勝戦1 ページ41
薬師戦観戦の数日後。
準決勝も勝利したという連絡が、無事に一也から入る。
決勝戦の相手は稲城実業。
そう、鳴くんのいる学校だ。
シニアの時、知り合ってから会うたびに
AちゃんAちゃんと、懐いてくれた男の子。
去年の西地区優勝は稲実。
1年生ながら、甲子園という大舞台で
堂々と投げている鳴くんをテレビで見た。
ライバルの二人が、今日どんな試合をするのだろうか。
りか「相手のピッチャー、凄い子なんでしょ?」
『関東NO.1サウスポーって言われてる。』
ゆみ「関東NO.1!?完成度高すぎ...。
確か、Aは知り合いだったよね?」
『うん、一也のシニア時代に、知り合ってさ。
二人はその時からライバルなんだよ。』
りか「なるほど、個人的にも因縁の対決ってわけか。」
『もちろん青道が甲子園行ってほしいけど、
鳴くんのことも応援してきたからなぁ。
鳴くんが打たれるのも、ちょっと複雑。』
そうこうしているうちに、試合開始。
1回表、倉持くんがフォアボールで出塁、
そしてなんといきなりの盗塁を決める。
相変わらず、とんでもなく足が速い子だ。
さすがはリードオフマン。
青道はそのままいい流れで1点先制。
しかし、その後は両者点が入らずスコアは
4回表まで【1(青)-0(稲)】のまま。
なにより、いつも打っている結城くんが今日は打てていない。
4回裏、ついに稲実打線が繋がり【1-2】
続いて5回裏、青道のピッチャーがエース丹波くんに
交代するも、ホームランをあびてしまい【1-3】
6、7回では、青道はチャンスを作るも
なかな次の点が入らない。
そして何より、鳴くんは初めから結城くんに対してだけ
本気のピッチングをしていたみたいだ。
それを知った他の選手は、精神的ダメージが大きいはず。
ただ、野球は点を取らないと勝てないスポーツ。
『みんな、頑張れ.....!』
私は願うように応援することしかできない。
そんな中、事件は起こる。
7回裏の守備で、丹波くんが足をつってしまったようだ。
ゆみ「こんな暑さで、しかもプレッシャーもある中
プレーしてたら、足もつっちゃうよ...。」
まさに選手はみんな、満身創痍。
それだけ、みんなの勝ちたい気持ちが大きい証拠だ。
一時中断後、続投をするようだったが
やはり足に限界がきているらしく、
青道はピッチャー交代。
交代で出てきたのは、なんと沢村くん。
彼がマウンドに上がると、空気が変わる。
彼なら何かやってくれそうだ。
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作者名:mari | 作成日時:2022年7月26日 0時