【wrwrd】黒魔女【魔法パロ】 (ページ8)

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国営図書館の主_夢主視点ページ8

「いやぁ...すいません、ちょっと汚くて...」

『...ちょっと？これが？』

白の魔法使いはその持ち前の頭脳を買われ、色位を与えられ、同時に国営図書館の管理主に選ばれる。しかし中身はいかんせんポンコツだ。

それを決定付けるようにしてあるのが部屋に散乱する本やら論文やらの書籍。私はそれを片付けるのを手伝いながら、なんで色位持ってる人ってこう片付けが苦手なのだろうか、などと下らないことを考えた。それにさっきも同じ事をした気がする。

『それでエーミールさん、少し聞きたいことがあるんです』

私は本を片付けながら白の魔法使いであるエーミールさんに向き合った。

『相手がどんなことを考えているのかわかる魔法を教えていただきたいんです』

するとエーミールの顔が少し曇った。

「え、Aさん、まさか...」

『まさか？え、何がですか？』

「す、好きな人ができたんですか！？」

...何を言っているんだこの人は。

「どんな不埒者か知りませんが、我々に相談無しにことを進めては大変なことになります！！」

そう言いながらエーミールさんは私の両肩を掴み、がくがくと体を揺らしてきた。昔からトントンさんと同じく私の面倒を見てくれていたため、トントンさんをお父さんとするならエーミールさんは頼れる兄のような人だ。だから人一倍過保護なのだろうと一人で納得する。

...いやいや、そんなことはどうでもいいのだ。この"私に好きな人ができた疑惑"を晴らし、目的の魔法を教えてもらわねば。

『えーっと色々と勘違いをしているようです。私に好きな人なんていませんよ』

「本当ですか...？」

『ええ。生きてる人間に興味はありません』

「それはそれでどうかと...」

だがこれで信用してもらえたようで、私を揺らすのを止めてもらえた。エーミールさんはこほん、と咳払いし、何事もなかったかのように続ける。

「それで、どうしてそんな魔法を？」

『それは...』

なんと言おうかまだ考えてなかったのだ。トントンさんにかけるだなんて言えないし、ましてやなんとなく知りたいからなんて説得力の欠片もないことなんて言えない。

『つ、次の任務に必要なんです！』

そして私は1つ、嘘をつくことにした。

「任務？」

『はい。妖精たちから頼まれていることがありまして。それで使いたいんです！』

「何を頼まれているんですか？」

『えっ...とぉそれは言わない約束になっていまして...』

エーミールさんは眉をひそめていた。絶対に怪しんでいる。