【wrwrd】黒魔女【魔法パロ】 (ページ7)

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懐かしい思い出_tn視点ページ7

箒で飛んで帰っていくAを見て、つい昔のことを思い出した。

あれは...何年前だろうか。
俺はまだ色位を冠されていなく、親のいない俺を拾って育ててくれた前の赤の魔法使いの元で弟子として働いていた頃の話だ。

ただの任務の筈だった。それがいつの間にか妖精達の怒りを買ってしまい、俺たちは妖精と戦うはめになった。その妖精達の中心にいたのがAだ。

その戦いで俺の師匠は死んだ。師匠を塵にし、この世から消したAは生きている。

だが俺はそれを罰することができなかった。初めて会話らしい会話を交わした時、俺はAを殺すことができなかったのだ。

『私をどうぞ殺してください。私なんていない方がいいんですから』

その時あいつはこう言った。だからかもしれない。俺も師匠に拾われるまでは同じようなものだったから。

それから俺はAを弟子にした。幸い彼女は魔力が高く、妖精に好かれるほどの人物なのでさほど指南をするのは難しくはなかった。
...それに単純に楽しかったんだ。自分の親代わりを殺した相手に情を持ってはいけないのに。

それにAはこの部屋で魔法を使っていた。おそらく、俺の言葉が嘘かどうかを見極めるための。あの花は謂わばパンドラの匣なのだ。真実を見つけようとすればするほどに厄介なことになるだろう。

現に俺は何度かあの花を燃やしたことがある。Aがとりつかれたように花に執着するものだから、心配しての行為だ。だが次の日、俺がAの部屋を見に行ったとき、その花は焼かれてなんてなかった。

ああ考え出したら止まらなくなる。なぜ焼いた薔薇がそこにあったのか。そもそもなぜ枯れないのか。もしかしたらあれは....

kn「トントン、どーしたんや？」

その時、コネシマに話しかけられて思わずはっとした。

tn「いや、ただの考え事や。気にせんといて」

そう言って俺は笑った。ただの考えすぎだということにして。