劇団四季CATS ジェリクルキャッツと少女の物語2

第84話 カレカノの関係？ ページ45

「おはようミスト」
「A、おはよう。」


学校が始まり、Aはいつものように僕に挨拶してから席に向かった。


「ねぇねぇ、船津くんってAと付き合ってるってホント？」

近くにいたクラスの女子が僕に聞いてきた。


「え！？違うよ！」
「え〜だって私達には苗字にさん付けなのにAには呼び捨てじゃん！しかも阿部が言ってたよ〜夏祭りデートしたんでしょ！？」



で、デート！？



「いや、あれは確かに一緒に行ったけど…ほら！他にも友達が…」
「で、付き合ってるの？」
「いや、付き合ってません…」


すると周りにいた女子みんながクスクス笑い出した。



「見てて分かるよ〜船津くんがAのこと好きなの！学芸会の時も本当にチューしてたでしょ？」
「えっ！///いや、本当にしたらA、いや安藤さんが嫌がるかと…」
「なに今更苗字なの〜？」



うう…今、完全に僕いじられてる…！



「そういや私、この前Aが男の子と商店街歩いてるの見たよ。」


ひとりの子が口開いた。


「えっ！？どんな人だった！？」
「高校生くらいで、黒髪に一部オレンジっぽい茶髪っていうか…ちょっとツンツンした感じだった。」




高校生



黒い髪に一部オレンジ



ツンツン





間違いない。ギルだ！


でも何故！？あの人間嫌いのギルがAと二人きりで……



「もしかしてA、彼氏いるんじゃ…」
「えっ、あの空手馬鹿が！？」
「ええええええーーーーー！？」



しまった。1番僕が叫んでしまった。



「どうしたの？」


しかも気になったのか、Aがこっちに来る！



「ねぇA、まさか彼氏出来たの！？」
「えっ？どうしたの急に。」


Aは状況が掴めずポカーンとしている。


「だ、だって商店街で高校生の男の子と…」
「あ〜あの人、私の知り合いで、買い物に付き合ってただけ。私彼氏いないし、そんな時間もあまり無いから。」


Aはいつものニコニコ笑顔で答えると、席に戻って行った。



「なんというか…」
「天然…」
「あっさりだったね…」
「まぁでも良かったじゃん！チャンスあるよ！」


そう言うと女子のひとりが僕の背中をバシン！と叩いた。すごく痛い。



「とりあえず船津くん頑張れ！」


僕は少し照れながらも、


「うん、ありがとう。」





素敵なエールを貰った気がする。

第85話 猫に近づく→←第83話 特訓開始！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す