第18話 朝の出来事 ページ22
6月後半 ある土曜日の朝7時
「おはよースキンブル。」
私は駅に着くと朝から仕事中の雄猫に声をかける。
「おはようA。今日は土曜日なのに早いね。どこかお出掛け?」
「部活の練習試合で他校に行くの。空手部は東京に少なくて、なかなか試合組めないんだ〜」
そう言って彼の頭を撫でた。
「ふぁぁ、眠い…。スキンブルは朝から眠くないの?」
「夜は疲れてすぐ寝ちゃうよ。朝は大丈夫。あっ、そうだ‼︎今時間大丈夫?」
私が乗る電車は15分後だった。
「いいよ。15分なら大丈夫。」
「よし!じゃあおいで!」
スキンブルはそう言うと駅長室へ案内してくれた。
ここの駅は都心部のものと違ってこぢんまりとしているので、駅長室は乗り場の近くにある。
「モーニングティーは薄め?濃いめ?」
「えっ、えっと…濃いめで。」
そう言うとスキンブルは人間の姿になって器用に紅茶を入れてくれた。
「周りに人、いない?大丈夫?」
「大丈夫。」
そう言うと彼はそっと紅茶の入ったティーカップを私にくれた。
私の好きなアールグレイだった。少し熱いけどとても美味しかった。
「スキンブルは飲まないの?」
「猫だから。」
あっ、そうか。猫は熱いの苦手だもんね…。
「ねぇA、僕さ、君に言われて少し考え方が変わった気がするよ。他のジェリクルに比べると僕は能力を活用しない方だけどその能力を持っているからこそ自分にできることをやろうと思う。」
あの時私が言った言葉が彼を少し変えた。
そう思うとすごく嬉しかった。
「あの…ありがとう。」
「えっ、なんで君が?」
「だって私あの時失礼なこと言っちゃった気がしてたからなんか…。」
そんなことないよ。そう言ってニコッと笑ってくれた。
「それにね、この前久々に人間姿で街歩いたら女の子にかっこいいですねって言われてね、人間姿も悪くないって思った!」
「何よそれー!」
2人でしばらく笑い合い、時計を見ると私か乗る電車が来るまであと3分前だった。
「スキンブル私そろそろ行くよ。お茶ご馳走様でした!眠気覚めたわ〜!」
「ならよかった!試合頑張ってね!」
「いってきまーすっ‼︎」
そう言って私は電車に乗った。
良い朝だったからきっと今日一日も好調なはずだ。
「よし!試合頑張るぞーーーー!」
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伊達 光秀 - マンカスとタガーに好意を持たれているなんて...夢主ちゃんが心底羨ましい← (2018年12月17日 22時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
マリお - マンカス大っすきなんでうれしいです^^こうしてキャッツの夢小説に出会えるとはおもってなかったです。 (2014年11月8日 23時) (レス) id: 483dce1d76 (このIDを非表示/違反報告)
かななん(プロフ) - ねねこさん» 有難うございます☆こちらこそ、よろしくお願いします♪ (2014年8月1日 13時) (レス) id: 6b33507c4c (このIDを非表示/違反報告)
ねねこ(プロフ) - かななんさん» いえいえ!レスってところを押すと送りたい人のところに楽々送れますよ(o^^o)私は神奈川(静岡に近い方です)に住む高1です!これからも小説宜しくお願いします(*^_^*) (2014年8月1日 13時) (レス) id: 14bda2dd5b (このIDを非表示/違反報告)
かななん - ねねこさん、返信遅くなってすみません汗 (2014年8月1日 13時) (レス) id: 6b33507c4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねねこ | 作成日時:2014年5月11日 2時