14 ページ17
家の近さを知ってから彼女がこんなにも近くにいるということを感じる
あの日は実は夜も眠れなかった
それくらい嬉しくて楽しい大切な時間だった
そしてまた、俺たちの距離も少しだけ近くなった気がする
あれから何度かお互いの家を行き来してたくさんしゃべって、くだらないことで笑って
月並みな言葉だけど、とても幸せだった
だからこそこの時間を、関係を壊したくない弱虫な俺が顔を出した
もしも自分の好意を伝えてしまったら?
きっとぎくしゃくした関係になってしまう
今まで通り話すことも出来なくなってしまう
そんな弱い俺はいつもいつも気持ちを胸の奥底に押しやって隠してきた
自分にも彼女にも嘘をついてきた
それはずっと続けてきたことなのに、なのに
Aちゃんと少しずつ距離を縮めてきたらどんどん胸が苦しくなってしまって
彼女との距離を近づけるほどにきゅーっと心臓が痛む
なんで、なんて分かっているけれど
どうすればいいのかは分からない
正解(こたえ)なんて分からない
「カラ松〜」
「なんだ、ブラザー」
誰もいないと思っていた居間で一人考え込んでいたらどうやらそれは俺の勘違いだったらしい
襖を上機嫌に開けて入ってきたのは、松野家長男おそ松だった
「最近お前どうしたの?」
「どういう意味だ?」
やっぱり、という顔をしておそ松は笑った
「自分では分からないものなのかね〜」
「だからなにが」
もったいぶるおそ松に少しむっとした声で返すとまた上機嫌に笑った
「お前最近全然イタくなくなったよ」
「…え?」
言われて初めて気が付いた
今までなら[パーフェクトファッション]なんて言いながら着ていた革ジャンもサングラスも、いつの間にか疎遠になっていた
恋をするとこんなにも変わってしまうものなのか
「イタいカラ松もいいと思うけど、俺は今のほうが好きだな〜」
「どうして?」
「だってすごくいきいきしてるもん。毎日すごく幸せそうな顔してる」
彼は本当に人をよく見ている。特に弟のことになれば当人以上に嬉しがったり、悲しがったり
とても情のあつい人だ
「………恋、してるんだろ?」
「っ…」
彼は本当になんでも知っているんだな
本当に俺たちの兄貴はおそ松ただ一人だ
「おにいちゃん応援するよ、なんたってだいーじな弟の恋だもん」
おそ松には、一生叶わないんだろうな
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふらわー - うん、いいね! (2016年8月19日 17時) (レス) id: f934421393 (このIDを非表示/違反報告)
蘭世 - ギャー。私ハニワめっちゃ好きなんです!なので、カラ松バージョンなんて、嬉しすぎます!!これからも頑張って下さい(*´ω`*)色々な作品も、見させてもらっていますよ (2016年7月29日 16時) (レス) id: e85297a57f (このIDを非表示/違反報告)
茅穂(プロフ) - ボカロ曲×アニメの小説本当に好きなんです!!!!ありがとうございます…!カラ松がかっこよくて読んでてキュンキュンしました!!第2段も他の作品も読ませて頂きます(´∀`*)これからも頑張って下さい!! (2016年6月8日 20時) (携帯から) (レス) id: 8fe47e0024 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - ドS一松様だー! あざーっす!(笑) 完結おめでとうございます! お疲れ様でした! 次回作も楽しみにしています♪ (2016年5月21日 15時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
Mai☆(プロフ) - ハルさん» あざーっす!!!!!!とても嬉しいお言葉で私、死にそうです← じゃあこれからも読んで下さいますか??いい??じゃあいいから拇印だぁぁぁ!!!!(言いたかっただけ←)本当に本当にありがとうございます(●´艸`) (2016年4月27日 21時) (レス) id: 06cb6c721d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mai☆ | 作成日時:2016年1月26日 16時