147話 ページ49
あー、入院生活ももうすぐ1週間になるけど、さすがに暇だな。
ご飯も食べれるようになってきたし、体調も良くなったからもう退院したい。
先生に直談判したら「今退院したらまた倒れますよ」なんて言われて諦めたけど。
そんな事を考えながら窓の外を見ていたら、コンコンとノックの音。
誰だろ?
先生はさっき来たし、点滴もまだ残ってるから交換はまだだし。
「はーい。どうぞー」
部屋を訪れる人の見当がつかないまま返事をすると、そこにはなんと。
「何で来たのー!?」
大伍がいた。
「来んなってLINE送ったよね?文字読めないの?」
大「んなことねーし。選手がコーチの心配したらいけないの?」
「人より自分の心配してよね!」
大「その言葉、まんまAコーチに返すわ」
「私はいいの!」
大「良くない。Aコーチはチームに欠かせない人だから。いないと困る」
「……でも、」
大「大丈夫だから。ほら、ちゃんとマスクしてきたし、手も消毒したし」
「もー……あんまり長居しないで早く帰ってよ?」
大「りょーかい」
『いないと困る』
この一言はちょっとグッときた。
散々迷惑かけたのに、チームは私を必要としてくれてるんだ。そう思ったら嬉しかった。
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年12月23日 0時