137話 ページ39
翌日。
騒ぎを聞いたみんなが、心配して大丈夫?と声を掛けてくれた。
西倉さんが私の行動を把握していたのは、あの腕時計。
1st優勝のお祝いに、と頂いた、スポーツウォッチにはGPS発信機が元から機能として内蔵されていて、西倉さんはスマホのアプリでそれを受信。
それで私の行動を監視していたらしい。
それを聞いて、その時計はすぐに外した。
「捨てちゃえばいいのに」って皐月に言われたけど、物に罪は無いから捨てるなんてできなくて、箱に入れて家に置いてある。
充孝「俺の言うた通りやろ?」
「え?」
充「自分が思ってるほど、モテないわけやない、って」
「あー……」
充「人は見た目だけやない。Aコーチの場合は、たまたまそれが悪い方向にいってしもただけや。気にせんほうがええよ」
「ありがと……って、見た目だけじゃないってどういうことかな?」
充「さあ?ご想像にお任せや」
あんだけの恐怖を味わったのにこうして笑っていられるのは、みんながさり気なく笑わせてくれるから。
変に気を遣うでもなく、いつも通りの空気感が嬉しい。
―――――――――
「うぇ……っ、…ゴホッ」
西倉さんの件で忘れてたけど、ここに来て体調が一気に悪化した気がする。
これはいい加減、病院に行かないといけないか。
西倉さんの件でもそうだけど、私がもっと早く警察にそうだんしていれば、あんなことにはならなかったかもしれない。
早めに対応しておいた方がいいのは、どんなことでも同じ。
今までは意地貼って病院に行かなかったけど、ここまで長期的に体調不良なのはさすがに辛い。
練習終わりに診てもらおう。
―――――――――
「……」
近所のお医者さんで診てもらった。
症状を説明したら吐き気止めと漢方薬みたいなのをもらったけど、これで本当に良くなるのかな?
いまいち信じがたいけど、今はこれを飲んでみるしかないよね。
リーグ2nd終了まで残りあとわずか。
ここでへばっていられない。
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作者名:彩女 | 作成日時:2017年12月23日 0時