２４９話 ページ35
火柱が遮蔽物の代わりとなって、超音波が少し弱くなった気がする。
逃げ出すなら、今しかないか。
本当は安全策を取りたいところだが、ミルフィオーレの連中全員を相手にできるほど私は今強くはない。
『開匣！輝！』
相棒である輝を呼び出し、今出せるだけの雲の炎を輝に与えた。
『輝、一発勝負だけどいけるよね！？』
カァ、と私を心配しながらもハッキリと鳴いた輝に口角を上げつつ、火柱が吹き荒れる中平然と立っている白蘭に再び視線を戻した。
『貴方を私の手で殺すことができなくて残念だけど、そろそろ帰らせてもらうよ』
白「ふふん♪
帰るじゃなくて、逃げるの間違いでしょ？」
『どっちでもいい。
今のこの現状から脱せれば、あとはどうにでもなる』
外にさえ出てしまえば、超音波も装置にも煩わされなくてすむ。
暫くすれば、傷も癒えるはずだ。
『輝、超増殖！』
雲の炎を最大まで利用し、烏を沢山量産させる。
そして一気に部屋の隅から加速をつけ、窓ガラスを叩き割った。
防弾かと思っていたが、以外にも普通のものだったためすぐに砕け散ったガラス。
私は大量にいる輝の上にバランスをみながら飛び乗り、窓の外へと脱出した。
白「逃げても無駄だよ。
対君用の装置から排出される薬品を少しでも体内に取り込んだ君は、暫くは満足に力を振るうことすらできない。
普通にしてるだけでも常に怠さがつきまとう。
……君は、もうヴァリアーにとっての足手まといでしかないんだよ」
『そんなの、貴方が決めることじゃない。
私の自己治癒力、なめないでよ』
私はひそかに先程開匣した霧狐の仁の背中を撫でながら、広範囲に幻覚をかけるよう頼んだ。
これで、白蘭にも下にいるミルフィオーレの連中にも暫くは気づかれないだろう。
私の炎も、彼らの匣に注入した炎も、いつまで持つかわからない。
血を吐きすぎたせいか、フラフラしててここから落ちてしまいそうだ。
早急にこれは、誰かに助けてもらわないと……。
『輝、仁と協力して1羽だけ姿を幻術で消して先にヴァリアー城へ行って。
できれば早めに……ボス達に、私のことを伝えて。
助けてって……』
輝が一声泣いて、1羽だけ霧のようにサラサラと消えたところを見届けてから、私も炎を切らさないように気をつけつつゆっくりヴァリアー城を目指した。
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桜(プロフ) - 2人の想いが通じ合って良かったですねぇ！ これからが一層楽しみです！ 更新はご自身のペースでいいと私は思います。いつでも待ってますから！ これからも一層、楽しみにしてます！ (2019年2月15日 18時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新待ってました！ ボスへの想いに気が付いて、これからどうなるのか楽しみです！ これからも応援しています！ (2019年1月10日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます (2018年8月2日 17時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 良かったです！ これからも応援してますので、自分ペースで更新してください！ 楽しみに待ってます！ (2018年4月1日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
咲月(プロフ) - こちらで活動してもらいたいですが、他サイトに行くとしても応援してます！それと他サイトに移るなら、pixivオススメですよー (2018年3月11日 20時) (レス) id: 6dc0dcced2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2017年12月31日 22時
