２４３話 ページ27
『……で、本題に入らさせてもらいますけど。
どうして私をここに？』
自分の故郷を紹介したかったから、と言えるほどここは良い思い出の詰まった場所では無さそうだし。
自分の過去と決着をつけるため、というわけでもない。
なら、本当に何のために？
ボスをジーっと見つめながら返答を待っていると、急にボスが私のほうを振り返った。
燃えるような赤い瞳と目があって、そらすことができない。
ザ「……お前らは、俺に一生ついてくる気があるか？」
『勿論！ボスがボスである限り、みんな一生ついていくよ。
そうでなきゃ、入隊率数パーセントしかないここに来たりしないって』
ついてくる気がないのに、こんなバイオレンスな所に来たがる変人は流石にいない。
皆、ボスが大好きだからヴァリアーにいる。
……そのことは、ボスもわかってるはずなんだけどな。
ザ「……それは、お前もか？」
『うんうん！勿論！』
ザ「なら……」
するとボスは、先程よりも真剣な顔つきになって私を見据えた。
ザ「俺の隣で、俺に一生を捧げる気はあるか？」
『へ？』
一瞬、言われた意味がわからなかった。
この時の私は、とんでもなく間抜けな顔をしていたに違いない。
ボスの隣で、ボスに一生を捧げる……。
それは、つまり。
『ボス……、それって』
ザ「……いいか、一度しか言わねぇからよく聞け」
背を少し屈め、私の耳元に口を寄せたボス。
そして、決して大きくない小さな声で言葉を発した。
ザ「────」
『っ！』
動悸がおさまらなかった。
こんなにも悩んでいた私が、バカみたく思えてきた。
ボスも、同じ気持ちだったんだ。
そう思っただけで、涙が溢れそうになる。
でも、私は泣かない。
今までで一番綺麗な笑顔をしながら、私もボスの耳元に口を寄せた。
『私も……』
大好きです、ザンザスさん。
ボスはそれを聞いた瞬間に、今まで見たことがないくらいの笑顔を私に向けた。
愛を知らない私達が、愛を知って。
愛を与えられてないと思っていたら、実は与えられていて。
人を愛するまでに成長した。
ザンザスさんとならきっと、いつまでも愛し通せる。
信じられる。自分の背中を託せる。
私とザンザスさんはそっと顔を近づけ、月が雲に隠れた瞬間にそっと唇を重ねた──。
真夜中のスラム街。
告白するのに適した場所ではないけれど、それでも私とザンザスさんは互いに幸せを噛みしめながらそこで笑っていた。
日常編 完結
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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桜(プロフ) - 2人の想いが通じ合って良かったですねぇ！ これからが一層楽しみです！ 更新はご自身のペースでいいと私は思います。いつでも待ってますから！ これからも一層、楽しみにしてます！ (2019年2月15日 18時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新待ってました！ ボスへの想いに気が付いて、これからどうなるのか楽しみです！ これからも応援しています！ (2019年1月10日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます (2018年8月2日 17時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 良かったです！ これからも応援してますので、自分ペースで更新してください！ 楽しみに待ってます！ (2018年4月1日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
咲月(プロフ) - こちらで活動してもらいたいですが、他サイトに行くとしても応援してます！それと他サイトに移るなら、pixivオススメですよー (2018年3月11日 20時) (レス) id: 6dc0dcced2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2017年12月31日 22時
