２４１話 ページ25
……で、なんやかんやがあってボスの誕生日パーティー当日。
結局ボスの「出掛けるぞ、二人で」が気になりすぎてプレゼントらしいプレゼントは用意できなかった。
いや、プレゼントを用意できただけでも凄いと私を誉めてほしい。
あの放心状態でよく頭を捻ってプレゼントを選び抜いたよ私。もう自画自賛だ。
ル「さぁ！ボスのために腕によりをかけて最高級のお肉をふんだんに使った豪華なディナーを用意したのよ〜。
だから、いっぱい食べてねぇ！」
ザ「……ふん、悪くねぇ」
先程からボスは大きな肉の塊に囓りついている。
他の隊員も、なんやかんやでこのパーティーを楽しんでいるようだった。
スクアーロ隊長とベルはワインの飲み比べみたいなことしてるし、レヴィさんはもうすでにできあがっていて腹躍りをしている。
マーモンさんは小さな手で食事を食べながら、目は通帳を見つめている。
ルッス姐は未だに料理を作り続けているし、グラは他の隊員と楽しそうにお喋りをしていた。
みんな楽しそうで何よりだ。
私はそっと手に持っていたグラスをテーブルに置いて、バルコニーへと場所を移した。
ここヴァリアー城は森の奥にあるため街の明かりなどは見えないけど、代わりに満点の星空と綺麗に輝く月が辺りを照らしてくれている。
『……いつ見ても、綺麗だなぁ』
そんなことをふと思っていると、急に足が浮いた感覚がした。
驚きすぎて悲鳴をあげそうになったが、肩と膝の裏に回されたこの手と腕を、私は知っている。
『ぼ、ボス！？』
ザ「行くぞ」
『急すぎ！っというか、パーティーまだ終わってないでしょ！？』
ザ「俺が居なくなれば終わりだろ」
『いや、確かに主役がいなくなればパーティー終わっちゃうけども！』
なにもこんな急に終わらさなくても！
中ではまだガヤガヤと騒がしい声が聞こえているから、荒れてはいないんだろうけど。
あー、とか、うーと唸っている私を面白おかしく見つめながら、ボスはバルコニーの手摺に足をかけて勢いよく飛び降りた。
高いところから飛び降りるのは慣れているからいいが、自分以外の人のタイミングで飛び降りるのは心臓に悪い。
地面に着地した時、どっと冷や汗が出てたまらなかった。
『……で、何処に向かってるんですか？』
もう横抱きにする必要もないにも関わらず、私を降ろす気配のないボスにそう問いかけた。
するとボスは足を止めることなく、前を見ながら小さく呟いた。
ザ「……俺の故郷だ」
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桜(プロフ) - 2人の想いが通じ合って良かったですねぇ！ これからが一層楽しみです！ 更新はご自身のペースでいいと私は思います。いつでも待ってますから！ これからも一層、楽しみにしてます！ (2019年2月15日 18時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新待ってました！ ボスへの想いに気が付いて、これからどうなるのか楽しみです！ これからも応援しています！ (2019年1月10日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - めちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます (2018年8月2日 17時) (レス) id: 742e9e233f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 良かったです！ これからも応援してますので、自分ペースで更新してください！ 楽しみに待ってます！ (2018年4月1日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
咲月(プロフ) - こちらで活動してもらいたいですが、他サイトに行くとしても応援してます！それと他サイトに移るなら、pixivオススメですよー (2018年3月11日 20時) (レス) id: 6dc0dcced2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2017年12月31日 22時
