近くて遠い Daiki.A

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新しい物件情報がくると、いつもワクワクする。

場所は？

間取りは？

広さは？




自分が住むわけでもないのに、
いろいろと想像するだけで、夢が広がる気がするから。



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『古いけど、広さもあるし、場所も駅近。いいなー、私が住みたいくらい。家賃いくらだろ？』




リフォームすれば、中は新築同様。

いわゆる好物件と呼ばれるその部屋に、いやが上にも期待は膨らんだ。



しかし、そんな浮かれる私とは正反対に、有岡は、複雑そうに資料を眺めてる。


.



『どうしたの？』



有岡「いや、なんでもない」



『いい物件だよね』



有岡「だな」





それだけ言うと、有岡は、自分のデスクに戻り、パソコンを叩き始めた。



なんなの？




さっそく、打ち合わせの日にちを決めるべく、お客様に電話をかけようとしたそのときだった。





有岡「部屋行くとき、俺も行くから」





斜め前の席、

パソコンの間から顔をだした有岡が、

キーボードのボタンを、パンっと一つ音を立てて叩いたと思えば、


ほぼ同時に、今度は私のパソコンで、
メールの受信を知らせる音が鳴り、


添付ファイルを開くと、そこには有岡のスケジュールがびっしりと書き込まれていた。




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