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有岡「で、その人、なんかあったんすか?」
そんな脳みそ溶けてる私をよそに、
二人は真剣な顔で向き合っていた。
薮「なんかあったわけじゃないんだけど‥、なんかあったら、困るからって感じかな」
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聞けばそのお客さんは、
過去に別の不動産会社で、担当した女性営業をしつこく口説いていたらしく、男性に担当を変えられたことがあるのだとか。
薮「その人、他にもいくつか物件持ってるオーナーでさ、ちょっと有名っていうか」
有岡「へえ」
リフォームをする際、打ち合わせなどは、その物件に行って、実際の部屋を見ながら進めることが多い。
図面や資料だけではわからないことの方が多いからだ。
つまり、部屋のなかで、お客様と二人きりになることもあるわけで。
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『でも、たまたまその女性がタイプだっただけってこともありますよね?』
薮「まあね」
『有岡、今、けっこう抱えてますし、私やりますよ』
薮「うーん‥」
『だーいじょうぶですって!窓全開にしてやりますから。』
難しい顔をして腕組みをしたまま考える薮さんに、
できる限りの笑顔で、親指を立ててみせる。
実際問題、他の人だって今は忙しいみたいだし、
私がやるしかないことは、自分が一番わかってるから。
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薮「じゃあ、一応渡しておくけど、誰か出来そうだったらすぐに代わってもらうようにね」
『はい』
有岡もなにか言いたそうだったが、
無理をしても、他にしわ寄せが来ないとは言い切れない。
私達の仕事は、一つのミスが、これからそこで暮らしていく人の生活を、変えてしまうことにもなりかねないのだ。
結局、薮さんは、しぶしぶといった感じで、
私のデスクに資料を置いて出ていった。
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mika(プロフ) - べーちゃんさん» コメ返遅くなってごめんなさい。移行後もどうぞよろしくお願いします。できるだけ毎日がんばりますねー! (2018年6月2日 8時) (レス) id: b0866ddde2 (このIDを非表示/違反報告)
べーちゃん(プロフ) - 2人が楽しそうに遊びましたね!日焼けドンマイ、主人公ちゃん!!毎日(?)の更新、楽しみにしています!!(^。^) (2018年5月30日 23時) (レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - べーちゃんさん» べーちゃんさん、コメントありがとうございます!まさかコメントをいただけるなんて!嬉しいです。ビックリです。そして、とっても励みになります!ここからもっと二人が近づいていく予定なので、楽しんでもらえればうれしいです。 (2018年5月21日 17時) (レス) id: b0866ddde2 (このIDを非表示/違反報告)
べーちゃん(プロフ) - 主人公と有岡くんの関係が面白いです!笑 二人の会話を読むのは楽しいです。これからはどうなるか気になります(*´∀`)♪ (2018年5月21日 15時) (レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mika | 作成日時:2018年5月13日 13時