盗み_06 ページ7
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中原side
敵拠点が特定されたのはつい先刻だった。
面が割れている為に外部の殺人屋を使い、放射性追跡塗料を怪盗の肌や服に付着させ足取りを追う。
真逆、女に化けるとはなァ…
首領に貰った事前情報によれば怪盗の本名は小豆沢A、性別は男と記されていた
まァ、拠点が分かりゃあコッチのもんだがな
後はそこを襲撃すれば捕縛完了、だったンだが
「 チッ、勘づかれたか… 」
重力で粉砕された室内には怪盗おろか人っ子一人見当たらず、受像機の近くには
「 此方から外へ出た人間は誰も居ませんでした 」
玄関から入ってきた芥川がそう云って室内を見回す。
怪盗の姿がないのは一目瞭然だった。
煙のように姿を消しやがッて
事を察した芥川が 一度本部に戻りましょう、と帰還を案ずる。
「 あァ、そうだな 」
床のシミを広げる零れた洋酒を踏んずけて玄関へ向かう
…途中、何故だか分からないが衣類戸棚に目が留まった。
何となく、気になった
「 ……………。」
「 中原さん、どうしましたか 」
「 ……いや、何でもねえ 」
大したもんねェだろうなと思い、俺は其の衣類戸棚の扉に手をかけることすらせずに本部へ足を進めた。
貴方side
ヤバい
心臓が煩かった。
普通なら、静かに時計と同じように刻を刻んでいるのに
帽子を被った小柄の男が此方へ視線を向けた瞬間から本能が警告音を鳴らしていた。
「 いやぁ危なかったねえ
危うく中也に君を捕られるところだったよ 」
衣類戸棚から出るなり包帯くんはそう云った。
中也…って先刻の帽子の人かな?
『 先刻の帽子の人は誰?
君の云い分から察するに味方ではないことは分かったけど 』
「 ポートマフィアだよ 」
『 …!? 』
狙われるとは思っていたが真逆このタイミングで来るとは
「 其の様子だと心当たりがあるようだね、
ポートマフィアに何をしたんだい? 」
此方を見る彼の深い暗闇を覗くような目に、無意識に足が竦んだ。
『 ……そんなことより、君は一体何者なんだ? 』
先刻のマフィアの行動も把握していた
奇襲と隠密が本職のヨコハマの暗部そのものとも云えるポートマフィアの、だ
こんなのもう一般人とは呼べない
私の言葉に包帯くんは怪しく笑った。
「 武装探偵社、と云えば凡そ分かるだろう? 」
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オズ - dGAzIwL2bmd18Yxさん» うあ…嬉しすぎるお言葉……ありがとうございます!!!頑張りますね!!! (2022年7月13日 20時) (レス) id: 1d6204a61d (このIDを非表示/違反報告)
dGAzIwL2bmd18Yx(プロフ) - もう、やべぇ、、(文才が天才過ぎて語彙力が4にました)面白過ぎます‼︎続編の更新も楽しみに待ってます (2022年7月11日 1時) (レス) @page50 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
オズ - *深音*(みおと)さん» ああああありがとうございます!!最終回まで頑張って書きますね!! (2021年8月18日 12時) (レス) id: bf4e4a8e9b (このIDを非表示/違反報告)
*深音*(みおと)(プロフ) - すっっごい好きです…(語彙力皆無)更新頑張ってください! (2021年8月18日 0時) (レス) id: 2e41216803 (このIDを非表示/違反報告)
オズ - テレタビーズ教さん» ありがとうございます!!これからも良いものが書けるように頑張ります!! (2021年8月4日 17時) (レス) id: 886aed0c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オズ | 作成日時:2021年7月25日 18時