How are you?Professor？｛wr.wr.d}{em}{短編集｝ (ページ13)

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食べて、寝て、終わりを見つめるページ13

世界が凍った。
道路も空も青く、白く凍ってしまい、外を歩いていた人は、冷え切った夜のを吸い込んで凍ってしまい砕け散ってしまった。
四季は冬で止まり、もう次の季節は来ない。
そんな予感を感じつつコタツの中で丸くなる。

「Aさん、コーンポタージュを作ったのですが飲みますか？」

優しい声がして、頭を上げるとそこには薄茶色の髪をして乳白色の眼をした男性、一緒に暮らしているエーミールが両手にまだ湯気が立っているコップを持ち、こちらを見下ろしていた。

『んぅ…飲む』

重い頭を上げ彼の方を見ると、室内にも関わらずパーカーの上に外を出歩くような防寒具を身にまとっていた。
(まあ私もそうだけど)

「熱いので気を付けてくださいね」
『はぁ…っｼｭﾝ』
「寒いですか？……暖房の温度上げますね」

窓の隙間から吹いてくる風が妙に寒くてくしゃみをすると、エミさんはコップを机の上に置き慣れた手つきでリモコンの温度を上げ、同じようにコタツの中に入ってきた。
それを横目にコンポタを口の中に入れると思ったよりも熱くて吐き出しそうになるが勿体ないので無理やり飲み込む。

『あっつ』
「いったやろ」

ひりひりとする舌を冷やすために文句をたれつつ口を開いていると彼は困ったように眉を下げつつ笑った。

『…ミカン食べる？』
「いただきます」
『はい』
「ありがとうございます」

コタツの中で温めていたミカンを取り出し、彼に手渡すと彼は嬉しそうに微笑みつつミカンの皮を剥いて食べ始める。
…先ほど一緒に暮らしているとは言ったが別に家族とか、恋人とかそう言うものではない、ただの友人なのだが…こんな外では帰るに帰れないので仕方なく外を出歩けるようになるまでこうして二人で暮らしている。
少なくとも向こうはそう思っているはずだ。
閑話休題、本題に戻ろう。

『…ミカン美味しい？』
「ふぁい」

最近は乾パンやパン、スナック菓子などが主な主食だったため、嬉しいのか彼に渡したミカンはあっという間に半分程彼の口の中に消えてしまった。
よく食べるなと思いつつコンポタを飲んでいると急にコタツの中で足でちょっかいを掛けられる。

『何？』

口で話してくれればいいのにと思いつつ返事をして彼の方を見る。
まだ彼はミカンを食べていたようで飲み込んだ後にっこりと笑いかけてきた。

「Aさん、口開いてください」
『分かった』

言われるがまま口を開いていると、残されたもう半分のミカンの一房が放り込まれた。