【REBORN!】空を仰いで

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なんとか授業を受け終え、席を立つ。荷物を素早くまとめて廊下に出、後ろ手で扉を閉めると途端に教室内は騒がしくなった。ちなみに授業は普通で安心だ。

イタリアの学校は日本とは違い、クラス替えはない。が、留年や退学や転校はある。特にこの学校は、家柄によるクラスランクの変更は時々ある為、クラス替えが無くてもメンバーの入れ替わりはある。らしい。

その為、教室に見覚えのない生徒がいても特に騒ぎ立てられる、なんてことはない。

だなんて、甘い考えだった。

イタリアンマフィアにそうホイホイ黒髪黒目の黄色人種、如何にも東洋人な人間がいるだろうか。答えは勿論、否。
このマフィア候補生で溢れる学校に突然日本人が現れて話題にならない訳がなかった。さらに、それが女子だなんて。元々女子生徒が少ないこの学校だ。

東洋人の女子生徒が3年のSクラスに留学してきた、という情報は、１日も経たないうちに学校中に広まっているようだった。

廊下を歩いて行くと、もの珍しいものに対する視線を受けたり時折爆発音が遠くからする。だが、日本の少なくとも公立の学校には中々無いであろう、吹き抜けがある広いロビーや日光でキラキラと輝くステンドグラスには少し心が踊った。
私への視線はいずれ無くなっていくだろうし、爆発音や乱闘騒ぎには慣れてしまう予感がある。
…………私の頃はそれなりに平和だったが、並盛中だって、弟や主人公等が入学すればこの程度日常茶飯事になってしまうのだろう……。

弟や母校、その未来を浮かべ感傷に浸っていると、前方の曲がり角の向こうから誰かが猛ダッシュしている音が聞こえてくる。


「なっ…………！！ 本当に……いる…………」


キュッと靴を鳴らしてこちらを向き、また走り出そうとしたその人は私を見ると慌てて立ち止まった。


「今の方向転換良かったよ。ディーノ」

「何でお前がここにいるんだよ……A…………」

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